林秀樹「GWで取れなかった穴埋めは……」

2017.05.21 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(110) 未来のためにすべきこと

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。

通常、GWが終わったこのタイミングで大型版権機種、注目機種の納品があり、落ち込むタイミングの手当てで大型入替が行われる時期です。しかし今年のGW明けは業界全体に影響を与えるような話題の機種が登場せず、強豪店も比較的おとなしめの入替ばかりとなっています。

例年なら、ド底辺としては仮に大型版権機種や話題機種が導入できなくても、納品がスタートするだけで業界全体に出る活気に便乗して上向きの手応えを感じられたものですが、今年は前述のようにおとなしめの入替ばかりなので、ド底辺の現場はより一層の厳しい状況となっています。

こういったとき、現場としてはどうしても「いま、目の前」が気になってしまいます。そして稼働、客数の落ち込みの対策として、遊技機メンテナンスを緩めたり総付け景品や屋台イベントをしたりといった「仕掛け」をしようとします。しかしもちろん、結果はすぐには表れません。結局は経費が掛かるばかりで出し損、実施損となって、その後の展開でより一層苦しむことになります。ここで必要なのは、「少し先を見る」ことなのです。

自転車に乗るときはまっすぐに前を向きます。小さい子供が自転車に乗る練習をしているときにフラフラと倒れそうなのは、手元や足元など目の前しか見ていないからです。ちゃんと走ろうと思ったら少し先を見る必要があるのです。営業も同じです。目の前を考えるのではなく少し先を見て、その方向性に沿って進める必要があるのです。

「少し先」についてはいろいろな考え方もありますが、ここでは「次にくる機会の時期」に焦点を当ててください。今この時期の次の機会と言えば賞与、連休のある夏です。「夏の時期にこうなっていたいから、いまはこうする」と考えてほしいです。「いま、目の前」を改善しようとするのではなく、「次の機会」に万全の態勢で臨めるようにしておく時期にしてください。

そしてもちろん、一番に考えることは予算とその確保の仕方となります。客数が少ないときに出しても、割数が上がるだけで(比率が高いだけで)実数としての出玉は全く出ているようには見えません。「客数が少ないから、今は取る」なのです。

「利益は将来の原資」です。これは「過去の失敗の穴埋め」ではありません。「GWに取れなかったから、取る」と考えるのではなく、「将来のために、今は取る」と考えてください。そうすることで気持ちも前向きになりますよ。


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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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