林秀樹「過去に縛られず常に変化を志向せよ」

2017.07.22 / 連載

 【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(119) 量より、質。

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。本当に最近は魅力的な新機種が少なくなったと感じます。今更ですが、こうなると期待できない新機種ではなく中古機導入の方が効率(費用対効果)の面で良いということになり、1回の入替での導入台数も機種数も中古機の方が多い時代になりました。中古機の活用が今ほど活発でない時代は「中古機=安かろう、悪かろう」という認識があり資金力がないホールがするもの、というイメージがありました。しかし現在は「中古機の導入=入替の有効な手法」です。

今回はド底辺的中古機導入の考え方についてお伝えします。

まず、結論から言うと「中古機を安さで選ばないでほしい」ということです。どうしても予算的な制約が厳しいド底辺は、1回の入替規模を大きく見せようとして価格の安い機械で台数を多くしがちです。しかし、改めて言うまでもなく中古機の価格は(新機種とは違い)市場原理で決まります。つまり中古機の価格には、その機種の今現在の魅力と今後の可能性が反映されているといえます。

もちろん、新台価格以上のプレミアムがついた機種を選んでほしいわけではないです。そうではなく、「安いから」という理由での選択を避けてほしいのです。

ではどういう理由を持って機種選定をしてほしいかというと、
・戦略に沿った考え
です。過去の連載でも何度かお伝えしていますが、強豪とド底辺の大きな違いは「一つ一つのことを、しっかりと考えて行っているか否か」にあります。強豪の行動は「論理的な根拠」を基にしますが(だからこそ「強豪」になったといえる)、ド底辺の行動は「K・K・D(勘、経験、度胸)」を基にしてしまいがちです。これは日々の業務すべてに言えることであり、もちろん「入替、導入機種選択」でも同じです。

「戦略に沿う」というのは例えば、
・自店の強みを生かせそうな機種選択
・(強みがないなら)弱みを補えそうな機種選択
・自店の顧客ニーズに合った機種選択
・「こんなお店にしたい」という方向性を達成するために必要な機種選択
などです。

一昔前は「質より量」という入替で一定の効果がありました。そういったことが顧客ニーズに合っていたときならば安い機種でも大量に導入することが正しい戦術だったかもしれません。しかし時代は変わっています。今はあまり大量に導入しても稼働に結び付いていないことは現場で感じていることだと思います。過去に成功したことでも、現在であまり効果がないと感じたらすぐに変えるべきです。

今は、「面白い機種が少ないからこそ、より面白い機種を求めている」時代であり、必要なのは「量より、質」なのです。

大手とド底辺の違いの中で唯一といってもいい「強み」は、「柔軟に、素早く意思決定できること」です。

今回は入替に対する考え方を例としましたが、どんな業務でも同じです。過去の成功体験に縛られずに、常に変化を志向してほしいと思います。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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