林秀樹「誤差玉の発生原因を突き止める簡単な計算式」

2018.02.17 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(149) 誤差玉(1)

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。2018年3月1日(木)、3月2日(金)の2日間の日程で、東京ガーデンプレイスにて綜合ユニコム社主催の計数管理セミナーを開催いたします。今回は2日連続の開催で集中的に計数管理の理解に取り組んでいただく構成となっており、基礎から応用、実践活用までをお伝えいたします。内容は、
・基礎編:基本用語と計算式の理解
・応用編:基礎編で理解した計算式を使っての遊技機シミュレーションの組み方の理解
・実践編:日々の遊技機管理や放出タイミングの設定、月間進捗管理の理解
という構成を予定しています。

前々回から4回に分けて3/1(木)~3/2(金)実施の計数管理研修を基にして「計数の考え方」をお伝えしており、3回目は誤差玉についてです。

誤差玉とは、「データ上で確認できる景品交換されるはずの玉数と、実際に交換された玉数との差数」を表すデータで、計算式は、

【誤差玉=景品予定玉-景品玉】

で表されます。通常、営業中はこぼれ玉や交換されずに残される玉もあるので理論値よりも実績値の方が少なくなることになり、この誤差玉の値は「正」、つまりプラスの誤差が出ることになります。しかし時折マイナスの誤差玉も発生してしまいます。今回はこういった誤差玉の発生時はどのようなデータを確認すればよいかを見てみます。

まず、「景品予定玉」というのは遊技機から上がってくるデータから計算される、いわば理論上の景品交換玉数です。景品予定玉がどのように計算されるのかというと、要は「お客様が出した玉数-打ち込んだ玉数=交換玉数」ということなので、構成要素は以下のようになります。
① お客様自身が借りて払い出された玉数の「売上玉」
② セーフ穴に入賞して払い出された玉数の「セーフ」
③ 遊技に際して打ち出される玉数の「アウト」

つまり景品予定玉は、「(売上玉+セーフ)-アウト」で求められることがわかります。この計算式を誤差玉の計算式に当てはめると、

【誤差玉=(売上玉+セーフ)-アウト-景品玉】

となり、少しわかり易く整理すれば、

【誤差玉=(売上玉+セーフ)-(アウト+景品玉)】

と表せます。つまり誤差玉の原因に関するデータは上記4つしかなく、この4つのデータに関係する箇所を調べれば原因追及及び対策ができるのです。そして誤差玉がプラスになるのは「(売上玉+セーフ)>(アウト+景品玉)」のとき、誤差玉がマイナスになるのは「(売上玉+セーフ)<(アウト+景品玉)」のときだと理解できます。

まず「プラス誤差」についてみていきます。

プラス誤差は「(売上玉+セーフ)>(アウト+景品玉)」のときなので、
・売上データが実際よりも高く上がってしまっている
・セーフデータが実際よりも高く上がってしまっている
・アウトデータが実際よりも過少にカウントされている
・景品玉がデータ上の景品玉(景品予定玉)よりも少なくカウントされている
のどれか、ということになるので、各台データを確認し、
① 異常に高い玉単価や台売上になっている台はないか(→売上高orアウト少の可能性)
② 異常にT1Yやベースが高くなっている台はないか(→セーフ高orアウト少の可能性)
を探します。また台データとは別に、
③ アウトボックス周辺に玉こぼれをしている台はないか(→アウト少の可能性)
④ 計数機が目詰まり等で過少計数をしていないか(→景品玉少の可能性)
を確認すればよいことになります

誤差玉がプラスというのは実際の営業では正常なことです。しかしそれは「通常の遊技で考えられる範囲なら」であり、あまりにも大きすぎるプラス誤差は問題があります。プラス誤差が多いということは、
・各台データの異常の場合、「出過ぎ」という結果を表示することになり、日々のメンテナンスの判断を誤ることにつながる
・計数機の異常の場合、遊技客が出した玉数よりも少ない景品交換になり、不信感を募らせることにつながる
などの悪影響があるからです。日々誤差玉を確認し、誤差玉が多すぎる傾向のあるお店は注意をお願いします。

次回は「マイナス誤差での原因究明と対処方法」をお伝えします。




● 綜合ユニコム様主催セミナーのお知らせ
3/1(木)と3/2(金)の両日、東京ガーデンパレスにて綜合ユニコム㈱様主催「計数管理セミナー」を実施いたします。今回は2日連続の集中開催で計数の理解を図る、非常に濃い内容です。
詳細は下記をご参照ください。
http://www.sogo-unicom.co.jp/pbs/seminar/2018/0311.html
http://www.sogo-unicom.co.jp/pbs/seminar/2018/pdf/20180311_12.pdf


●「The Professional」にインタビューが掲載されました
各界の著名人にインタビューをしてその考え方や生き方を紹介する「The Professional」に掲載されました。
http://the-professional.biz/tp0081/
各界で名を成した多数の方の素晴らしいお話が拝見できます。

●おかげ様でジュンク堂大阪本店にて、週間ビジネス書部門ランキング1位を獲得しました!また楽天、アマゾン等のネット販売でも常時ランキング上位となっております。ありがとうございます。
全国の書店で販売、またネットでは下記サイトで購入が可能です。
・amazon
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/434491046X/calepo01-22/

・楽天ブックス
http://books.rakuten.co.jp/rb/14606937/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
同社ホームページはこちらをクリック

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト, アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社, 林秀樹, 計数管理セミナー