林秀樹「射幸性での集客は難しい時代になってきましたね」
2017.09.30 / 連載【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(129) 10/27セミナー(1)
皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。
10月27日(金)、綜合ユニコム様主催にて「業績アップを図る[現場力][管理力][経営力]強化手法」と題したセミナーを開催します。そこで今回から4回に分けてセミナーの内容を簡単にまとめてお伝えします。今回は第一部「業績アップを図る思考の出発点、ユーザー心理を考える」をお伝えします。
今回の規則改正で業界が気にしている点は2つです。
① 出玉の上限が従来の2/3になることの影響
② みなし機の撤去日、認定の取得
このうち②については執筆現在(9/27)では公式なアナウンスがなく、どのような方向性で決着するのかが見えていませんが、①については明確に答えが出せます。
つまり、
・射幸性が抑制されるので、これまでと同じというわけにはいかない。
です。
要するに「射幸性でお客様を呼ぶことが非常に難しい」ということです。パチンコ営業において(適度な)射幸性というのは営業の根幹でしたが、今後は射幸性そのものや、射幸性を演出する営業からの方向転換が求められます。
これまでも営業の中心には「お客様満足の向上」を考えてきたと思います。今まではこの満足感を、主に入替や出玉を中心とした遊技機戦術で向上を図ってきました。ただしこういった「モノ」に頼った営業は差別化の要因とはなり得ず、だからこそ競って新台を導入するという「スピード」や導入台数という「量」で他社との差別化を目指してきました。
しかし今後は、いかに導入が早くても、いかに大量に導入しても、そもそもその遊技機自体に魅力がないので意味のないことになります。
今後は遊技機の性能が落ちることは決定しているのでそのことで嘆いていても先はないです。今すべきことは「どうやったら、今後出てくる遊技機で営業していけるか」を考えることであり、できないこと、どうしようもないことを考えるのは時間の無駄です。
では何を考えていくべきか、というとそれは、
・今後、自店は何をお客様に訴求していくか。
です。もちろん様々なことあるでしょうが、最も強く考えてほしいことは、
・モノに頼らずに、コトに頼る
ことです。「遊技機という“モノ”ではなく、遊ぶという“コト”」に焦点を当てた考え方をするのです。このことがどういった効果を及ぼすかというと、「こうしたほうが良いだろう」という考えや内容は一人ひとりで違うので、結果的に他社との差別化が図れることにつながります。「モノ」に集中した考え方ではこうはなりません。
人が感じる満足感には2種類あると言われます。一つが「合理的に判断して得られる満足感」、もう一つが「感情的に判断して得られる満足感」です。合理的な判断による満足感は、例えば他にもっと合理的に考えて「良い」と思えるモノがあればそちらに移動しますが、感情的に満足を得ている場合はすぐには移動をしません。そしてこの感情に訴求するのが「コト」なのです。
立派な設備や最新の遊技機といった表面的なモノは、結局はカネで解決ができてしまうので差別化の要因とはなりません。しかし「自社特有のコト」は因果関係が他者からはわかりにくく関係に不明性が出てくるので差別化の要因となります。
お客様が自店を選ぶ理由(選ばなければいけない理由)の提供、それを今後は遊技機ではなく、お店のお客様に対する思いで表現してほしいと思います。「いいお店」と「好きなお店」は違うのです。
● 綜合ユニコム様主催セミナーのお知らせ
10/27(金)、東京ガーデンパレスにて綜合ユニコム㈱様主催「遊技機規則改正後の計数管理活用術 ~業績アップを図る[現場力][管理力][経営力]強化手法~」と題したセミナーを実施いたします。
今回の内容は、
・単店企業、小規模チェーン企業がこの先、どのような営業を志向していくべきか
を、現場(ホール)・管理(責任者)・経営(経営者)の3階層に分けてお伝えいたします。
詳細は下記をご参照ください。
http://www.ab-c.jpn.com/612.html
●「The Professional」にインタビューが掲載されました
各界の著名人にインタビューをしてその考え方や生き方を紹介する「The Professional」に掲載されました。
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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。