林秀樹「客を流出させるド底辺ホールロジック」

2016.01.23 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト第53回
コンサルティングの現場より(41) 「表面を見るな!根本を見ろ!」

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林秀樹です。1月のヤマ場である成人の日三連休の後から、特に平日でどの店舗も厳しい稼働が目立ちます。こういったことは事前にある程度予想はできていたはずですし、(今年でいえば)11日までにしっかりと利益を取っていたお店は慌てることはなかったことでしょう。ただ、残念ながら11日までに取れなかったお店は、今一度仕切り直しと捉えて利益の確保からスタートしてください(この考え方は先々週の連載を読んでみてください) 。

ところで前述のとおり、三連休後(12日以降)の平日は非常に厳しい稼働でした。そういったときに上がってくる報告には次のようなものが多いです。
「現状、入替をしたお店だけが集客できています」
「入替をしなかったので、競合に自店のお客様が流れています」

そしてこうなってしまった原因を問うてみると、
・入替をしなかったこと
・他店の入替に対抗しなかったこと
・そもそも自店は入替日の設定に誤りがあったこと

などが挙がってきます。確かにこれら(自店が入替をしていないこと、他店は入替をしたこと、自店のお客様が減っていること)は事実でしょう。しかし競合他店で入替があったことで自店の稼働が低下したというならば、次の質問の答えを考えてみてください。
①    他店が入替をしなかったら、自店の稼働は落ちなかったといえるか?
②    自店が入替をしていたら、自店の稼働は落ちなかったといえるか?

おそらくほとんどの方は次のように答えるでしょう。
「他店が入替をしなくても自店は落ちただろう。自店が入替をしても落ちていただろう。」

このように考えるとするならば、まさに「自店の稼働低下は入替のせいではない」と気づくはずです。「稼働が低迷していること、及び他店に流出していること」の原因(問題点)は「入替をしなかったこと」ではなく、「キッカケ」でしかないのです。もともと自店に対する不満があり、他店の入替をキッカケとして「そっちに行ってみようかな」という気にさせてしまったということです。原因は別にあるのです。

この原因は、そもそもは「お店に対する信頼度の低下」でしょう。そしてなぜ信頼を失っていったのか、と考えると次のようなロジックが浮かびます。
①  他店にお客様が動いた
↓(なぜなのか?)
②  信頼を失ってきたから
↓(なぜなのか?)
③  シメ営業を続けてしまったから
↓(なぜなのか?)
④  思うような利益を確保できていなかったから

つまり、「利益が取れないから、出せない」という悪循環の真っただ中にいる(またはこれまでしてきた)ことが根本的な原因なのです。これができていないからすべてがうまくいかないのです。

強豪店はこのことをよくわかっているからこそ、取るべき時には絶対に利益を確保します。そして取れた分を設備や機械代に充てられるので、なお一層強くなるのです。先々週の連載でも同じようなことを伝えていますが、お店をよくするためには「まず利益」ですよ!

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972 年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エ ンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的 なホール経営を提唱する。

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