林秀樹「大切なのは〝これから〟来年こそは脱・ド底辺!」

2017.12.30 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(142) 入替以外に力を入れる

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今日は12月31日大晦日です。おかげ様でこの連載もちょうど3年となりました。毎週読んでいただける皆さまの支えによってここまで続くことができました。本当に感謝しております。

今年を振り返ると、業界誌その他でも散々言われている通りめまぐるしく動きがあった一年だったと思います。毎年年末になると「今年は厳しかった」という話があり、続けて「来年はどこまで下がるのか、見通しが立たない」という話が続きますが、本当に先が見えない状況になっていると思います。

確かに遊技機のゲーム性はコモディティ化が進んで目新しさがなく、新しい魅力を訴求できない機種ばかりとなっております。その上これから出るのは性能の劣った機種ばかりなので、こと遊技機に関しては「未来がない」というのはその通りです。ということは、このまま、これまで同様の遊技機頼り、入替頼りの戦術・施策を続けていてもダメなことは明白なはずです。「これから」を考えた場合、遊技機や入替を中心に置いた営業をするのではなく、もっと別のことを軸にした営業を志向していくべきだと思います。

私は、これからはもっと「現場」に焦点を当てた営業を志向していくべきだと考えています。どこに行っても同じ機種があり、どこに行ってもそれほど出方に違いがあるわけではない今の時代、お店を選ぶ基準は「雰囲気」でしょう。「なんとなく」「いつも行っているお店だから」というものです。

こういう状況なので入替をしたとしても店内移動だけで終わり商圏内のパワーバランスに変化はないわけで、入替は業績向上施策の中心ではなくなっているのです。「現場に焦点を当てる」というのがどういうことかというと、「店内環境の整備にもっと目を向ける」ということです。これは設備や機械に関する整備ではなく、
・清掃、清潔さ
・コールランプ対応のスピード
・トラブル対応力
・笑顔、明るさ
など、「ソフト面」の整備に力を入れていってほしいということです。これらのことは普段から指導をしていることかもしれませんが、どこまで徹底できているでしょうか。店長の仕事は数字の管理と遊技機の管理が中心であり、現場のことは直接管理せずに主任等部下に指示を出して報告を受けるという管理体制のお店がほとんどです。

これでもあるレベルまでは大丈夫でしょうが、だからこそ、もっと力を入れる=直接店長がもっと現場に関わっていくことが業績向上につながると思います。

パチンコ業界は大きな転換点に差し掛かっています。過去、様々な業界で同じように転換点を迎え、そのたびに安さや商品構成での差別化を図ったお店、企業は淘汰されました。生き残ったのはこれまでの手法に固執せずに違う方向性を志向したお店、企業です。

私は「違う方向性」にソフト面の強化を挙げました。しかしもっと他にもあることでしょう。カギは「これまでとは違うことをすること」です。入替や新台、遊技機の整備メンテナンスに関すること以外にもっと時間を割いて行動を起こしてほしいと思います。

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本年も読者の皆様に大変お世話になりました。2018年も毎週日曜日更新を続けます。次回は年明け1/7(日)となりますので、よろしくお願いいたします。




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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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