林秀樹「取れてないから取る」ではタダのド底辺ホールです

2016.01.09 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト第51回
コンサルティングの現場より(39) 「出すために、取れ!」

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今日は1月10日。「年始営業」と捉える期間は人それぞれでしょうが、私の意見としては明日11日の3連休までを指します。たとえ三が日後の平日に落ち込むとしても、です。例年、成人の日以降の1月営業は急激に落ち込みますね。だからそれまでにできるだけの利益を確保しておくことで、この落ち込むときの戦術に幅を持たせることができます。その方法を考えてみましょう。

①  落ち込みを最小限に抑えるために、出す
②  落ち込むときに出しても効果が薄いので、取る

どちらを選ぶこともできますね。ところがこの年始期間に利益をしっかりと確保できなかった店舗はどうするかというと、

③  取れていないのだから取るしかない

となります。上記①②の場合は「攻め」の考え、言い換えれば余裕をもって選択することができるのに対して、取れなかった店舗は③のように必要に迫られての一択しかありえなくなります。シメてはいけないと思いながらも、そうするしかないとなるのです。

こうなると悪循環です。取ってはいけない期間だと知りつつ「取れていないから取る」ことになり、売上が低いことで割数が低くても金額として追い付かず、さらなる客離れを引き起こすことにつながります。

「上記の②も③と同じように〝取る〟と言っているではないか、同じではないか」

こう思った方もいるでしょう。しかし②と③は決定的な違いがあります。②が「次の機会のための原資」と見ているのに対して、③は「取れなかった分を取り戻す」と見ています。それは決して未来の投資の原資ではなく過去の穴埋めに使われるだけの後ろ向きなカネなのです。

さて、そうはいっても現実的に「取れなかった店舗」は③を選ぶことになります。でも後ろ向きに考えてしまうと閉塞感がありますね。ここでは見る角度を変えて「仕切り直し」と捉えてください。③ということで取る期間にするのですが、それは過去の穴埋めとは考えずにこれからの態勢を整えるために取る期間だと考えるのです。言ってみれば、

④  次の機会を準備万端で迎えるために、まずは利益を確保する

という考えを持つのです。利益を確保するということは同じでも、考えや取り組む姿勢が違えば意味も変わります。どうですか?前向きな印象が出てきますよね!

「取らなくてはいけないときは、絶対に取る。それが将来の原資となる。」

玉を出せるのは余裕があるからです。機械を買えるのはカネがあるからです。より良い店にするためには、まずは利益の確保からですよ!

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972 年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エ ンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的 なホール経営を提唱する。

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