林秀樹「利益確保一辺倒なGWで本当にいいと思ってますか?」

2018.04.21 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(158) 「ゴールデンウィーク」の捉え方

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今週末からいよいよゴールデンウィーク(以下略GW)に突入します。GWは年に「3回の特別な期間」の一つとして絶対に利益の確保が求められているという認識を持つ方は多いと思いますが、その前提としては集客がなければなりません。

一昔前はある程度長い期間の休日であればしっかりと稼働も上昇するので、高利益率の営業でも出玉感、活気は十分ありました。しかし現在は違います。

GWと言っても稼働がそれほど上昇するとは限らず、逆に利益確保営業の影響からGW後の稼働が激減して、結局はその後の営業に深刻なダメージを与えてしまうこともあります。こうなると、今までの営業スタイル=「GWは利益確保に徹する」という考え自体を変修正する必要があります。

集客が昔ほど期待できない現在、改めて考えてほしいのは、
・そもそも、GWとはどういう期間か
ということです。

GWは、休日が続くという外部要因により通常の週末のような来店客数が連続して見込まれる期間です。これによりこの期間を、これまでは「週末営業が続くので、利益確保に適している」と捉えていました。もちろん長期間高利益率の営業を続けるとその後は反動で稼働が落ち込むものですが、その対策としてはGW後に大型の新台入替を行うことで対応していました。しかし昨今は入替自体の集客力、また遊技機自体の魅力も低下しているので、当然これまでのような「落ち込みの対策」としては機能しづらくなっています。だからこそ、GWで利益確保を徹底することは少々危険なことという認識が必要になっていると感じます。

上記「GWとはどういう期間か」という問いの答えとしては、
・自店アピールの機会
とすべきです。

決して「利益確保週間」ではなく。GW期間中は、昔ほどではないにしろある程度客数は増えます。もちろんこれは競合店も同様であり、つまり「総遊技客数が増える」週間となっています。ただし間違えないでほしいのは「パチンコ人口が増える」ということではない点です。通常営業中、分散して来店していたお客さまがまとまった時間(時期)に集中しているだけで、そもそもの遊技人口は変わりません。新しい客層が増えるわけではないということです。

つまり、
・今まで週1回程度、月2~3回程度だった人が、連続して来店して(または比較的長時間遊技して)いただける
という期間で、いわゆる「ライト層」が来店する「機会」です。

ヘビーユーザーから利益を確保しても「また取り返そう、GW後の入替で出すだろう」と来店動機の一つになるかもしれませんが、このようなライト層から利益確保をしてしまっては、金銭的な理由もありのちにまた来店しようなどという気持ちが起こるはずもありません。

いま、すべきことは「将来のための種まき」として、いわゆるライト層の来店頻度を上げる、客滞時間を伸ばす施策です。GWが「年に3回の特別な期間」という常識はもはや通用しなくなっています。

今年のGWからは考え方を変えて、「利益の機会ではなく、客数アップの機会。それも今後のロングテールとさせるための機会」としてほしいと思います。


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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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