林秀樹「仕事の棚卸しでド底辺ホールにスピード感を!」

2016.10.15 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(79) スピードを意識しろ!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。

今月はパチンコ、パチスロとも話題機種の導入があったことで、業界全体を覆うここ最近の停滞感からは少し変化を感じた月初でした。しかし、もちろん変化を感じられたのはこういった話題機種を適切な時期(トップ)に適切な台数で導入できた大手、強豪ホールばかりです。大多数のド底辺ホールはそういった活気には縁もなく淡々と日々が過ぎていくばかりだったかもしれません。だからといってこのままでいいわけはないです。「できること」をしっかりと進めていくことでド底辺からの脱却を目指しましょう。

さてその「できること」、カネも人手もないド底辺ホールには一体何があるでしょうか。ここで私は「スピード、スピード感」を挙げたいと思います。大手や、またそれなりの規模のホールでは役職の階層も多く意思決定と行動にスピード感が欠ける傾向がありますが(もちろん、すべての大手がそうではありませんが)、ド底辺ホールはそういった階層が少なく、決裁権者にダイレクトで話ができることと、その後に素早く動き出せることが強みです。

しかしながらほとんどのド底辺ホールはその強みを生かしているとは言えないと感じます。なぜそうなってしまうかというと、ド底辺ホールの多くは一人または少数のキーマンがそれこそスーパーマンのようにいろいろな業務をこなすので、どうしても同時並行的に処理することで決裁や動き出しが遅れる傾向があるからです。

ここで是非していただきたいことがあります。それは「仕事の棚卸し」です。今自分が抱えている仕事を紙に書き出してそれに優先順位をつける、たったこれだけでスピード感が出せます。この優先順位のつけ方は仕事のボリュームと締め切り日から勘案します。こうすることで仕事の処理がテキパキと効率的に進められるのでスピード感が出せるのです。また処理のし忘れなども発生しません。

ド底辺ホールに人手が足りないことは変えようがありません。店長などのキーマンが同時並行的に物事を処理・判断しなければいけないことも変えられません。しかし「優先順位を明確にする」ということはできます。いま、決裁が遅れるなどスピード感が出せないのは、目の前にある問題=緊急の問題の処理ばかりしてしまっているからではないでしょうか。本当は緊急なことよりも重要なことを優先して処理しなければいけないのに、です。

重要なことを重要と認識し(そのために仕事の棚卸しをする)、その重要なことからスピード感を持って行うことが、ド底辺ホールで必要な行動です。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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