林秀樹「今こそ遊技機頼りの営業から脱却しましょうよ」

2018.06.02 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(164) 過去に学ぶ

皆さんこんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。6月に入りました。相変わらず非常に厳しい状況が続き、ほとんどのお店で売上の大きな低下がみられています。しかし、そのような厳しい環境にあっても比較的落ち込んでいないというお店もあります。そういったお店はお客様に対して自店の特色や強みの訴求がしっかりとできているからこそ、この厳しい状況でもなんとかしのいでいると考えられます。

ただ、その「比較的良い」といえるお店でも、その中身によっては決して安心できるとは言い切れないお店もあります。

現状、新機種の魅力が低下していることもあり、パチスロ部門において高射幸性遊技機の売上が占める割合がどんどん高まっています。これはどのお店でも同じなのですが、そういった高射幸性遊技機を自店の強み、訴求ポイントとしているお店は、今はよくてもこの先減台、撤去となっていった場合、逆に大きく自店の魅力が損なわれることになってしまいます。

だからこそ他店との相対比較で「良い」といえる今のうちに、違う魅力の構築に注力していかなければなりません。今、取り組んでいかなければならないこと、それは「遊技機の力に頼る営業」ではなく「お店の力に頼る営業」にシフトしていくことです。

もちろんお店の力、魅力の一つに「魅力的な商品(遊技機)構成」はあります。しかし上で述べたようにこの部分の魅力はいずれなくなるので、改めて「パチンコ営業の原点」から考えることが必要です。

パチンコ営業の原点、それは「パチンコは遊び」ということです。この「パチンコという遊び」には「適度な射幸性」が含まれており、この点が「ほかの遊び」とは決定的に違う点、差別化の要因で、ゲームセンターやスマホゲームでは決して味わえない部分です。

これを今までは遊技機の性能に頼っていました。ワクワク感、ドキドキ感の提供と盛り上げ、雰囲気づくりはすべて遊技機次第だったのです。しかし、今ほど遊技機の性能や設置の有無次第という側面がなかった時代、どのお店も同じような機種構成だった時代には、そういったワクワク感やドキドキ感の演出を「販促物」という手法で盛り上げていたはずです。

当然今でも販促物での訴求は行っていますが、そのほとんどが「遊技機の訴求」になっています。そうではなく、お店全体の統一感であったりお店のやる気であったりというような販促物で、お客様の気持ちを高まらせるような雰囲気をつくっていく必要があります。

また、販促物以外でも「適度な射幸性」は演出できます。
・清掃に力を入れる
・ニオイ対策をする
・駐車場、外観の手入れをする
・景品コーナーの陳列を華やかにする
などなど、「お店がしっかりしている」印象を与えることが遊技に対する安心感につながり、「非日常の演出」となってお客様に「このお店でパチンコを楽しもう」という気持ちを起こします。

過去、何度も今回と同じように規制や自粛などで危機が訪れました。旧基準遊技機の撤去と新基準遊技機の性能低下、イベントの規制や自粛があり、その時に「過去」に目を向けていつまでもしがみついていたお店は淘汰され、「先」を見た営業をしたお店が生き残りました。

今使用している遊技機は最大でも3年以内になくなります。この事実をしっかりと意識して、違う魅力の訴求と提供を徐々に進めてほしいと思います。「この機種が」ではなく「このお店が」楽しい、そう思ってもらえる努力に注力していってください。

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各界の著名人にインタビューをしてその考え方や生き方を紹介する「The Professional」に掲載されました。
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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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