林秀樹「ド底辺的稼働のバラツキ解説します」
2017.09.16 / 連載【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(127) アケ営業が利益を増やす
皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今日は3連休の中日、9月後半からは稼働が厳しくなってくるので、まずはこの3連休でしっかりと利益の確保をしておかないと後々の営業が苦しくなってしまいます。ここは確実に利益を残してほしいと思います。
さてこのように特に週末の営業において「しっかりと利益を~」と思いながらも、なぜか出てしまうということが往々にして起こります。そしてさらにシメをするもまたしても出てしまい計画どおりの利益確保ができず、仕方なく平日にシメ継続となり稼働の低下を止められない上に、シメているのに出てしまうという悪循環に陥るお店も多くあります。今回はこういった悪循環を断ち切る手法と考え方をお伝えします。
「稼働があるお店ほど出方が暴れなくなり、想定に近い出方となり安定する」、遊技機管理においてはこのように考えられています。そしてこのことは逆に「稼働が低いお店は暴れる」ということも示しています。
しかし決してそうではありません。例えばスロットにおいて店舗平均IN枚数が3,000枚と聞くとどう思うでしょうか。もちろん「低稼働店舗」だと感じるでしょう。それでも毎月安定した利益率をキープできているお店があります。
また例えば店舗平均IN枚数が7,000枚であればそこそこの稼働だと思いますが、それでも出方が暴れてなかなか計画どおりに行かないお店もあります。
上記2例での違いがどこにあるかというとそれは、「極端な稼働の偏りがあるか、ないか」です。平均IN枚数が低くても稼働が分散されていれば(突出した稼働が平均を押し上げるのではなく、まんべんなく客付きがあれば)安定し、平均IN枚数が高くても突出した一部の台で稼働を引っ張っていては出方も安定しなくなります。店舗データ、また機種別データを読むときには平均値で見るのではなく、稼働のバラつき具合を考慮してデータを読み込む必要があります。
現在の遊技機スペックでは例え低いスタート回転数や低設定であっても大きな差玉になることは珍しくありません。むしろそういったことが起こるからパチンコは(スロットは)楽しいと言えます。「出る」台は必要なのです。問題は「出る台以外の打ち込みが少ない」ことです。出る台以外の打ち込みがあればその出る台の差玉も吸収し、且つ出る台が見せ台としても機能してくれます。
「出る台以外の台にどうやって稼働をつけるか」、これが悩ましいことになるのですが、逆に考えるとどうでしょうか。
・出ない台に稼働がつかないのは、そもそも出なさそうと思われている。
・出た台も、ツボにはまって勝手に出てくれただけで本来は出る設定(回転数)ではないと思われている。
このように思われている可能性が高いです。このような悩みを持つお店においては、「シメではなく、アケの管理」をすべきです。全体のベース(設定ベース、回転数ベース)を上げることでお客様に期待感を持ってもらうようにしていくことで、徐々に稼働が分散していきます。そして徐々に出方が安定していくことになります。
「稼働が厳しいから、出ると困るのでシメ営業を続けている」、この営業が逆に利益確保をしづらくしています。毎日出方がばれて困っているお店はこの考え方に沿ってシメ一辺倒の営業を止めてみては、と思います。
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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。