林秀樹「ド底辺ホール的、入替に頼らない思考法」

2016.12.17 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(88)「ジリ貧パチンコホール復活プロジェクト」出版(3)

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。いよいよ「ジリ貧パチンコホール復活プロジェクト」の発売日が決定しました。
発売日:2016年12月21日(水)

また発売に先立ちAmazonにて先行予約の受付も開始されました。
https://www.amazon.co.jp/dp/434491046X/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1481553184&sr=1-1

それでは今回も「ジリ貧パチンコホール復活プロジェクト」の内容についてお伝えします。なお書籍の内容は以下のとおりとなっています。
第1章 苦境に立つパチンコホール営業の現状
第2章 データを「見る」から「分析する、活用する」
第3章 お金をかけずに集客
第4章 モチベーションを高めるスタッフ教育
第5章 玉粗利計画の見直しでリピート客を増やす
第6章 これからのホール営業に必要な13の意識改革
今回は第3章「お金をかけずに集客」です。

大手ホールは資金力を武器に差別化を図り中小ホールとの格差を広げつつあります。利益率の極端な切り下げや大型版権機種の大量投入など、ド底辺ホールには真似のできない策を次々と打ち出し、シェアを拡大し続けているのです。そのため、今後さらに厳しい時代が続くと予想されている中、「資金力がないホールは淘汰され消えていくしかない」と悲観的に考える店長は少なくありません。しかしそういった考えになるのは、過去の成功体験に囚われているからだ、といえます。

そもそもパチンコ業界はこれまで新台入替を大きな戦術の柱にしてきました。そして近年はこれにイベントが加わり「集客の2大戦術」となっていました。大手であっても中小であってもこの「戦術」は全く同じで通用していたのです。ある意味「楽」な業界でした。しかし、みなさまご存じのとおり現在は新台入替にはほとんど効果が期待できなく、イベントに至っては規制強化もあり開催すらできなくなっています。まず考えるべきは、旧来の考え=入替とイベントに頼ることからの脱却です。

入替とイベントに頼らずに何に頼るか。それは「戦略」です。
・「ポジショニング戦略」から、自店の立ち位置に適切な戦術を採用すること。
・「SWOT分析」から、適切な時期を選んで強みを生かすこと。
・「ランチェスター戦略」から、弱者の戦術を突き通すこと。
・「差別化戦略」から強みをプッシュすること。
・「マーケティング戦略」から、売りたいものと売れるものを選別すること。
などの戦略、つまり考え方を頼りに、論理的に物事を進めていくのです。

「カネがないなら、アタマを使え」といいますが、上記のような「考え方」をベースにすることにお金はかかりません。かかってもせいぜい、参考にするために購入する書籍代くらいでしょう。

勘と経験則、および過去の成功体験をベースにすると論理的な根拠がないため、結果が出なかったときに右往左往してブレブレの営業になってしまいますが、戦略をベースにすると軸が定まり、ブレることが無くなります。

例えばGWなどの連休の営業で「出す」のか「取る」のかという方向性を考えるとします。「GW前に稼働が落ちてきたからアケよう」「GWは稼働が見込める時期だからこそ今後の集客のためにアケよう」という方向性もありますし、逆に「この時期にしっかりと取るべき」という考え方もあり、どちらも一理があります。ここで勘や経験則、場当たり的な対応ではなく戦略をベースにするのです。ポジションはチャレンジャーなのかフォロワーなのか、機会なのか脅威なのか、もっといい機会が先にあるのかないのか、強みはどこにあるのか、顧客のニーズが高いものは何か、それは自店にもあるのかないのか、仕掛けの時期はいつが適切か、などなどいろいろな面で検討して最適な戦術を選びます。

行動には必ず理論的な根拠を求めて、論理的に進めることが必要です。これからは確実に業界のパイが縮まります。今までのように「勘と経験則」、「過去の成功体験」のみの営業は必ず行き詰まります。これから必要なのは「データに基づいた分析と行動」、「論理的な思考と行動」です。「カネがないなら、アタマを使え」ですよ!

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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