林秀樹「ド底辺ホールは営業の着眼点を変えよう!」

2017.02.11 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(96) 出玉を重視することは、利益重視の戦術である!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。前回は営業計画の作成手法について「利益からではなく、稼働から」という考え方の転換をお伝えしました。今回はこの手法についてもう少し深掘りしていきたいと思います。

営業に際し最も重視するのは「利益」であり、その確保の仕方=割数や利益率の日別配賦によって計画を立てているのがほとんどだと思います。しかし、
・利益を先に考えると、お客様の泣いた分だけ利益が増える
といえるので、
・稼働を先に考えることで、お客様の喜んだ分だけ利益が増える
という考えに転換してほしいわけです。「稼働を伸ばすことで利益が増える」ということです。ではどうやって稼働を伸ばすのかというと、やはりこれは「マーケットイン」の考え方で進めていく必要があります。

「マーケットイン=市場(顧客)の求めることの提供」であり、パチンコ店での顧客の求めることは「楽しさ」となるでしょう。この「楽しさ」にもいろいろあります。快適な遊技環境、自然な接客、雰囲気、設備、遊技機、そして「出玉」もあります。

実は、様々なお店でコンサルティングをしていると結構な割合で「出玉」を軽んじている傾向を感じます。設備や接客などは重視するのに、出玉はあまり気にしないのです。

「そんなことはない、自店は出玉も気にしている」

そんな意見も出るかと思いますが、そういったお店でも会話、会議等で最初に出る話は「割数(利益率)」や「玉粗利」です。
・割数は適正か?(取り過ぎていないか?)
・玉粗利は適正か?(取り過ぎていないか?)
といったところでしょう。しかしよく考えてみてください。割数も玉粗利も、どちらも「利益」を主眼に置いた見方です。上記の言葉は、「利益を取り過ぎていないか?」を見ているのです。

ここで着眼点を変えてはいかがでしょうか。つまり割数や玉粗利、利益額を気にするのではなく「景品金額」を見るようにするのです。景品額はそのものズバリ「出玉、出玉感」を表す数値です。「これだけ出す!」という計画を立てて、日々その結果を確認することで「お客様へ提供した満足は、計画を達成したか」を測るのです。

この景品金額、簡単なことで今更かもしれませんが次の計算式で求められます。
景品金額=売上-粗利益

今使用している帳票がエクセル等なら、ちょっと計算式を追加するだけで計画景品と実績景品が出せますよね。これを過去数カ月(数年)遡ってみてみると(おそらく)面白い傾向が見て取れるはずです。つまり「景品金額が少なくなってくると、その後に稼働低下がみられる」という傾向です。もちろん逆も見て取れます。

「出玉を重視して出す営業をすると利益が減る」、こう考えてしまうかもしれません。もちろん言うまでもなく、営業、経営において利益は最重要項目です。「利益を重視するからこそ、出玉を重視してほしい」のです。

上記計算式で利益を上げつつ景品を上げると考えると「売上を上げなければいけない」となります。「売上を上げるには、顧客満足を高めなければいけない」ということで、今回は特に顧客満足を「出玉(出玉感)」に絞ってお伝えしました。景品金額を意識して取り組むことで、その先には必ず利益がついてきます。





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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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