林秀樹「ド底辺ホールはカネがないなら知恵を出せ!」

2016.09.10 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(74) コンセプトを創り出す

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。想定をかなり下回った8月から月も変わり、ド底辺から這い上がろうと日々奮闘中かと思います。しかしなかなか売上、稼働が伸びにくい時代でもあり苦しんでいるお店も多いものです。そこで、今回は少し変わった側面から考えてみたいと思います。

パチンコ業界は「同じ商品構成“のみ”で競争する」という、他の業界とはちょっと変わった特性を持っています。他業界のように商品構成(機種構成)での差別化がしづらいのです。また昨今の規制強化もあり、他業界では当たり前のように行われている販促イベントや広告宣伝での集客も難しいことで、普通の、当たり前の集客努力というものもできません。こうなると「どのようにして業績を上げればいいのか、わからない。」となってしまい、結局はブランド力やこれまでの店舗イメージによるパワーバランスが維持されてしまっています。当然、ド底辺はド底辺のまま、です。

しかしこのような状況でも着実に伸びているお店もあります。そういったお店の共通点は、
・お店の特徴づけがされている
ということです。もちろん上記のように機種構成や販促・広告宣伝の規制は同じであり、どのような点で「特徴づけ」をしているかというとそれは、
・お店の方向性を明確にして、それを簡潔に示したコピー文がある
です。

さて、こういった話はよく聞くでしょう。しかしこんなことは言われなくても多くの方は知っています。「特徴づけはすべきだから、したほうが良い」というようなありきたりな一般論ではなく「実際にどうやったら出来るのか?」を知りたいはずです。

ここで図(写真2)を見てください。これは普段よく耳にする単語、キーワードの一例です。これら以外にもたくさんあるはずです。この図には黒点だけの部分があるので自分の思いつくものを出来るだけ多く考えてみてください。そしていくつか思いついた後に、下記を読むようにしてください。


色々なキーワードが思いついたと思いますが、実はそれらは(もともと図にあったものも含めて)すべて「これまでに使用されているキーワード」です。すでに他業種含めてこれらのキーワードを基に店舗コンセプトを創っている例があるからこそ、自分の耳に残っているので思い出せるのです。

「これらのキーワードはもう、使えないということか」
というとそうではないです。実はこれらすでによく耳にするキーワードを使ってまったく新しいコンセプトを創り出せるのです。それは、
・つなげる
ということです。「「〇〇で、△△な~」、「××だけど、□□な~」というようにつなげることでまったく新しい店舗コンセプトが創造できるのです。例えば、
・ノスタルジックだけど、刺激的
・快適な空間で、熱いひと時を
などなど。組み合わせ次第で様々な差別化が創り出せます。

商品構成で差別化が出来なく、販促や広告宣伝をしにくいので訴求が難しい時代だからこそ、店舗コンセプトを明確にすることが大事です。「カネがないなら、知恵を出せ」、昔から言われていることをしっかりと実践していきましょう!

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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