林秀樹「ド底辺ホールの他店視察が時間の無駄に終わるワケ」

2017.06.17 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(114) 視察について

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。6月も半分が過ぎました。ここまでの稼働、売上は非常に厳しいものがあります。「6月は厳しい」という予測を持っていても、ここまでの落ち込みは想定をちょっと越えたレベルに感じます。

こうなると他店がどうなのかが気になるところでしょう。そして私のところにも「このような状況でも好調なお店もあるでしょうから、そういったお店を紹介してください。視察に行きます」といった依頼もきます。またちょっとした団体に所属していれば「ストアコンパリゾン」ということで店舗や地域の視察ツアーなどが組まれたりもします。

しかし、私としては「そんなことをしても無意味」だと思います。同じ視察をするならもっと別のお店、別の視点を持つべきだと思います。
 
ある支援先から、上記のような「いいお店を教えてほしい。」という依頼がありました。私は「見ても何にもなりませんよ。」とお伝えしたのですが、「どうしても」ということで、比較的近場で稼働の良いお店をピックアップしてお伝えしました。

当然、稼働の良い店舗というのは(一部の例外はありますが)総じて立派で、設備や機種構成もしっかりしています。また利益率もド底辺ホールとは違い、それなりに低く設定して営業しています。

そういったお店を視察して、表面だけを真似して取り入れても、本質が変わっていなければ何も現状に変化は生み出せません。視察したお店の「本当の強み」を理解できなければ、結局はカネの無駄遣いで終わります。
 
強いお店(会社)がなぜ「強い」のか。それは、根本的には「真似ができないところに強みがある」から強いのです。真似ができる部分に強みがあっても、それはすぐに真似されて、差別要因ではなくなり、強みではなくなります。

確かに強いお店は販促や機種構成、店内雰囲気などが立派です。しかしこれは表面的にそうなっているのではなく、お店(会社)の目指す方向性(理念、ビジョン)という「一本の芯」があり、それを具現化するためにそのようなお店になっています。

「最新機種や人気機種がしっかりとあって、設備も立地もいいはずなのに・・・」というお店もあります。こういったお店(会社)は、繁盛店の営業を表面的になぞっているだけだからうまくいっていないと思われます。
 
お店を改革したいのなら、繁盛店の真似をすることではなく、「自社の方向性」をしっかりと定義する方が早いです。それが「ド底辺としてのポジションで生き残る」ならそういったビジョン、もっと上を目指すのであればそういったビジョンを持ち、テーマを持った視察をしてほしいと思います。決して「お店の表面を見る」のではなく、です。


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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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