林秀樹「ド底辺ホールに捧げる松下幸之助の言葉」

2016.08.27 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(72) 出来ないでは出来ない

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。8月も最終週となりました。しっかりと利益を確保できたでしょうか。8月は季節指数的に一年でもよい時期にあたるわけで、今月はできるだけ多くの利益確保が求められたはずです。

しかし今年は、特に前半でオリンピック、高校野球と重なったことで厳しい数字のお店が多かったようです。そうはいっても必要なものは必要なわけで、この時期に利益をしっかりと確保できなかったお店はこの先厳しい営業を強いられることになります。

今月利益を確保できなかったお店には共通点があります。それは「前半の稼働が低いときに利益をうまく取れなかった」ということです。後半は年金効果も感じられるような売上、稼働となったお店が多かったので前半での計画比マイナスがのしかかってきた格好です。

もちろん遊技機の使い方はしっかりと抑えているので、取れなかった理由として挙がってくるのは、
・TSが甘く動いたから
・継続回数が高めで推移したから
・暴発したから

などなど一見もっともで、自分たちの力の及ばないことで取れなかったという理由です。「遊技機の使い方としては、やれるだけのことはやった。それでもうまくいかなかった。」ということなのですが、しかし本当に何もできなかったのか、というとそうではないはずです。

「出来ないでは、出来ない」

これは松下幸之助翁の言葉です。「出来ない、と言ってしまったらそれ以上はない。出来ないかもしれないが出来るかもしれない、と思って行動することで道が開ける」という意味です。今回の例でいえば、果たして遊技機の使い方以外で何かできることはないかと考えたかどうか、そして行動したかどうかが重要なのです。私の支援先でも同じように稼働が低いことでうまく利益を確保できていないお店がありましたが、
・場所移動をする
・低貸玉コーナーの同じ台と差し替える
・低貸玉コーナーにもっていく
・止める
などの対策を考えて実行したことで抑えることに成功した例もあります。

例年、季節指数では8月というのは高めの数字となるはずなのですが今年はそうでもありませんでした。オリンピック、高校野球、天候、そして遊技機状況など様々な要因が考えられますが、これらはすべて「外部要因」と言え、自分たちではどうすることも出来ないものです。そしてTSや継続回数、暴発なども自分たちではどうすることも出来ない要因です。自分たちでどうすることも出来ないことは仕方がないと考え、出来ることを考えることで問題の解決を図ってください。出来ない出来ないでは何も出来ませんよ!

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972 年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エ ンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的 なホール経営を提唱する。

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