林秀樹「ド底辺ホールでも強みを細分化すれば業績改善」

2016.08.07 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(69) 一律で考えるな!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今週はいよいよお盆営業となりますね。今年から8月11日が「山の日」という祝日になったことで、サラリーマンにとってはお盆と絡めてのちょっとした長めのお休みとなるはずです。

さて、こういう「集客できる見込みのある時期」をどのように進めるか? は重要なかじ取りになります。

「集客が見込める時期」というのはSWOT分析でいうところの「Opportunity(機会)」に相当します。つまり「攻め」が良いとされる時期ですね。しかし同じ「攻め」といっても自身の立ち位置で「攻め」の内容、アプローチは違ってきます。
※SWOT……強み (Strengths)、弱み (Weaknesses)、機会 (Opportunities)、脅威 (Threats)

①強者
強者はこの時期、集客できるという機会を最大限に生かして、圧倒的な出玉感を演出すべきです。同じ出玉率で営業しても客数が多いので出玉の実数は増えることを利用します。SWOTの「S×O(強みを機会に投入)」が最良の戦略となります。

②弱者
弱者はこの時期、集客できるという機会を最大限に生かして、のちの戦術のための原資確保を優先します。しっかりと出玉率を落としますが、客数が多いので出玉の実数(出玉感、見た目)はこれまでと同じくらいにさせて利益額を確保します。SWOTの「W×O(弱みを機会で補う)」が最良の戦略になります。

この上記①、②は一般的な立ち位置による戦略の考え方です。もちろんこの通りでも構わないのですがこの夏はちょっと考え方を変えたほうがいいでしょう。なぜならこの秋以降、新台の魅力がどんどん落ちるので、根本的な「お店の魅力」で格差が大きくなっていくことが予測されるからです。弱者であっても強者のような戦略で「お店の魅力」を作り出していくことが求められます。

弱者であってもお店を細分化していくと店舗内で相対的に「強い」部分があると思います。例えば低貸し、例えば甘デジ、例えば海系などなど。この部分に関しては上記①の「強者の戦略」を推進してほしいと思います。そしてそれら以外の弱い部分に②を適用する、と。

「確かに店舗内の比較では〝強い〟かもしれないけれど、そもそも他店と比較するとそんなことはないのだけれど」

このように思う方もいるかもしれません。しかしここで重要なのは「他店との比較ではなく自店内の比較でOK」ということです。他店と比べればまだまだな部分だとしても自店内では比較的に強い部分なので「強み」です。SWOT分析のS×O=「強みを機会に投入する」を実践すべき分野なのです。

「お盆という時期をどう進めるか」。店舗全体として一律という考え方は、今の時代では避けるべきです。より細分化して考えて、少しでも業績を上げられるアプローチを考えていきましょう。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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