林秀樹「ド底辺ホールが狙うべきは既存客層新規客」

2018.05.26 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(163) 利益率ではなく売上を見ろ

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。5月度の後半本当に厳しい稼働が続いており、稼働が厳しいことから必然的に利益率が高くなるのですが、それでも利益確保できていないお店は非常に多いです。

この問題(稼働が低く利益が稼げないので、利益率が高い)の根本原因は「売上が低いこと」です。売上が低いから利益率が高くなるのですから、つまり逆説的ではありますが、「売上を上げればすべて解決」するのです。

一般的に商売での売上の計算式は「客数×客単価」ですから、売上を上げるためには客数を増やすか単価を上げればよいことがわかります。これをパチンコ店で考えるならば、「客数か、玉単価を上げればよい」となります(厳密にはパチンコ店では「滞在時間を伸ばす」も考えられます)。これらのうち「玉単価を上げる」はスペックの問題になるので、ここでは「客数を増やす」について考えてみます。

図をご覧ください。



これは左側の項目からその構成要素を書き出したものです(例えば売上増には客数増か単価増、客数増には新規客増か既存客増、という具合)。この図を見ればわかるように、売上を上げるためには客数を増やさなければいけませんが、客にも新規と既存とあるわけです。

しかしここで多くの人が間違うポイントがあります。それは、
・新規客には「新規客層の新規」と「既存客層の新規」がある
という視点です。

一般的に言われる「新規客」というのはいわゆる「完全な新規」です。しかしそういった新規客は、そもそも自店に来ていない客層であり「今の自店を気に入っていない層」を呼び込まなければいけないのですから。呼び込むには今のすべてを変える必要があります。これはなかなか難しいものがあります。(図の②層)

一方「既存客層の新規」というのは、「今自店に来ている客層と同じ嗜好を持つ層で、まだ来ていない客」と定義できます。彼らは、今来ている客と同じようなものを好むのにまだ自店に来ていないだけなので、アプローチ次第でこちらに来る可能性が高いです。(図の①層)

つまり新規①層にはアプローチの見直しが、新規②層にはお店自体(機種構成含む)の見直しが有効な策となり、ド底辺的にはどちらをターゲットとすべきかがわかると思います。もちろん新規①層となります。

中長期的には「新規客層の新規」を獲得していく必要があります。しかしそれだけの体力がないときにやみくもに動いても結果はなかなかついてきません。目の前でまずすべきことを明確にして、一歩一歩進めていきましょう。まずすべきは利益率を上げることではなく売上回復を狙うこと、そしてそのための手法及び方向性は「既存客の新規を狙う」ことです。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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