【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト第62回
コンサルティングの現場より(50) 良い時こそ、変えろ!
皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。3月決算の会社ではいよいよ最終週です。どんな一年だったでしょうか。
「何も変わらないよ、厳しい状況が続いている」
こういった声がほとんどだと思いますが、当連載2016年2月28日に掲載した「ド底辺に求められる〝結果〟」でご紹介したお店のように、結果を残すことで「今後は期待できる!」というお店もあります。ただ、このように結果を残したことで自信がつき、これまでの取り組みを継続することでそれなりの未来がイメージできているお店こそ、変えなければいけないことがあります。言うまでもなく、店長として期待されていることは現状維持ではなく「業績向上」ですから。
ここで少し考えてもらいたいことがあります。今のお店の状況、これはどのようにでき上がったのでしょうか? もちろんそれは、このお店で働いていた人たちが作り上げたものです。もう少し言うと、今の状況はそのお店のトップである店長が作り上げたものといえます。「これまで過去に店長がやってきたことの結果が、今の状況」ということは、今までと同じ努力をしても今目の前にある状況と同じ未来しか手に入らないことを意味しています。つまりこの一年に行ってきたことの結果が「それなり」ならば、この先も「それなり」でしかありえないのです。
1981年から2001年までアメリカのゼネラル・エレクトリック社(GE)で最高経営責任者を務めたジャック・ウェルチは常々、
「手遅れになる前に、改革せよ」
と言っていたそうです。「手応えを感じているとき、好業績だからこそ今のうちに手を打っておく」ということです。物事が動き始めてから、あるいは問題が顕在化してからでは遅く、将来の価値を確実なものにするためには事前に動かなくてはいけないのです。
このウェルチの言葉を知らなかったとしても「手応えがあるからこそ、変える」という決断は身近に多々あります。例えば業績が良くなった店舗の店長をあえて異動させて新たなチャレンジの場を作りだしたり、店内販促や装飾の雰囲気をこれまでとガラリと変えたりすることなどが、このウェルチの言葉の実践例と言えます。
一般的に、堅調な右肩上がりが予測できるときは前例踏襲が良いとされ、未来の予測が困難な激動の時代には前例打破の発想が良いとされます。まさに今は後者でしょう。ド底辺の現場に前例踏襲といった官僚的な発想は必要ないです。常に変化を意識して、今と同じ未来を受け入れない意識を持ってください。
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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。