林秀樹「ド底辺の計画は計画とは言えないことが多い」

2016.07.16 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(66) 細かく管理しろ!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今日は3連休の中日、7月の中でも最も利益を確保したい3日間ですね。

そう、ド底辺としてはまずは「利益」です。この連載でも何度もお伝えしました。ただ、そうはいってもなかなかうまく確保できないお店は多いです。「確率が・・・」、「一台噴いてしまって・・・」、「利益率が高すぎると拙いので・・・」などいろいろな理由が挙がってきますが、それでもお店を維持するためには利益が必ず必要です。

今回は利益をしっかりと確保するための考え方、手法をお伝えします。

利益をしっかりと確保するためには「計画」が必要です。といっても計画のないお店はないでしょう。ここでいう計画とは「細かい計画」です。稼働低迷店舗に共通すること、それは「計画とは言えない計画で、営業していること」です。どんなお店でも全体の計画と最低でも部門別の計画はあります。しかしその先、「機種別」がないのです。

「機種別を作っても稼働が低いのでその通りになんてならないから意味がない」
「自店はバラエティだから機種別なんて作れない」

往々にしてこんな声が聞こえてきますが、ここで考えてほしいことがあります。それは、
・細分化された計画が一つ一つできていれば、必ず全体は計画を達成している
ということです。

ちなみにこの逆は必ずしもそうとは言えないです。(全体ができていても個別ができているとは限らない) だからこそ、まずは機種別の計画を作成するのです。なお、「バラエティだから~」という場合はシマ別など何台か(5台とか8台とか)でひとまとめでもよいです。とにかく部門別(4円P、1円Pなど)だけでなくその部門内で細分化して計画を立ててください。

続いてその立てる中身です。ド底辺として最優先は「利益」です。だからこそ見るべきポイントは利益計画です。決して使い方(スタート等)や割数、利益率ではなく利益“額”です。
ここで次の考え方を見てください。(例:粗利目標1,500万、200台とする)
・月間粗利=日別粗利×日数
・日別粗利=台別粗利×台数
です。

30日営業で計算すると、
・1,500万=50万×30日
・50万  =2,500円×200台
となりますね。

日数と台数は変えられないのですから、月間粗利を設定したと同時に台ごとの必要粗利(台粗利)が決まるということがわかります。上記の場合、月間の粗利を1,500万と決めた段階で必要な台粗利は2,500円と確定します。これは単純に平均値なので、続いてすべきことは機種別に傾斜配分をすることです。低い台粗利で育成したい機種、高い台粗利を確保する機種などを決めて全体の平均値が2,500円となるようにすることで、あとはこの通りの営業を進めれば必ず月間利益計画は達成します。

「決めた通りにならないから困っている」

こんな声も聞こえます。しかし本当にそうでしょうか。おそらく、「ちゃんと低いスタートにしているのに利益が取れない」と考えていませんか? こう考えた方のほとんどは私が上で述べたことをスルーしていると思われます。

すなわち、
・見るべきポイントは利益“額”であり、スタートや割数、利益率ではない
という部分です。

「利益が取れていないということは適正以上に出ている言うこと。これを適正にする」、この意識が必要なのです。パチンコにおいて楽しいというのは「回ること」ではなく「出ること」であり、取れていないということはかなり出ているということです。「これ以上シメたら拙い」というのは固定観念です。「今のスタート回数では出過ぎている、今のスタート回数は適正ではない。だからそれを適正にする努力をする」のです。

ド底辺ホールとしては、まずは利益です。しっかりと確保するためにはより細かく利益管理をしてください。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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