林秀樹「ド底辺のスーパーマンが中途半端な出来について」

2016.07.09 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(65) 受け身にならない

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。4月からの第1四半期は入替自粛などもあり厳しい結果でしたが、ここからは季節指数的に年間で一番活気の出る時期です。まずはこの7月、気持ちを入れ替えて前に進んでいきましょう。

さて、ド底辺ホールの現場では総じて慢性的な人手不足が多いものです。そうなると店長や主任など役職者は、それこそ「スーパーマン」のようにいろいろな仕事を掛け持ちすることになり、どうしてもすべてが中途半端な出来になってしまう傾向があります。今回はそういった傾向から脱却するためにはどうすればいいかについてお伝えします。

なぜ中途半端になってしまうのか。それは一言でいえば「受け身の仕事」になっているからです。

例えば、
・稼働が落ちてきたから、入替を多めにしようと動き出す
・スタッフが減ったから、募集をかけようと動き出す
・故障したから、修理をしなければと動き出す
など、「現象が発現してから手当てをする」というように対応が後手後手になっているケースがほとんどです。

これらは往々にして自分が取り掛かっている仕事の途中で舞い込んできたりするので計画的な行動がおぼつかなくなり、結果的にどれも「まあ、このくらいでいいか」というような中途半端な仕事になってしまうのです。これではいい仕事=結果を手にする仕事にはなり得ません。

こうならないためには「ABC時間管理」という考え方を取り入れるとよいです。これは「能動的な行動」と「優先順位付け」に効果があります。この「ABC時間管理」という考え方は、
・Aタイム・・・自分で決めた行動をする時間
・Bタイム・・・予定外で舞い込んだ行動をする時間
・Cタイム・・・息抜き、リラックスする時間及び予備時間
というように行動を分類します。

基本的にはAタイムが多ければ多いほど自分の決めた計画に沿うわけですから、計画どおりに行動できます。しかしもちろんBタイムをなくすことはできません。そして「受け身の仕事」はBタイムに当たります。ここで考えるべきことは、
・Bタイムになりそうな事案をAタイムに組み込むこと
です。

上記の例でいえば、
・稼働が落ち込む前に行動する計画を立てる
・スタッフが減る前に行動する計画を立てる
・故障する前に修繕計画を立てる
です。

行動管理=スケジュールをしっかりと定め、優先順位を明確にしておくことでBタイムはAタイムに組み込むことができるのです。

また、Cタイムの効果的な配分も必要です。
・情報収集時間
・フォローアップ時間
などを行動計画に組み込んでおき常にスケジュールに余裕を持たせることで、突発事項=BタイムのせいでAタイムに充てた時間を減らすことはなくなります。

中途半端な仕事を繰り返すと自分自身のモチベーション、ヤル気も減退しいつの間にか「適当」が染みついてしまいます。本気、全力で取り組めば必ず結果を得られます。そのためにも時間管理、行動計画をしっかりと立てて、何事にも中途半端にならないようにしてください。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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