林秀樹「ド底辺に限らず遊技機評価をする必要がない理由」

2017.07.01 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(116) 2つの満足

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。7月に入りました。6月は総じて非常に厳しい数字でしたが、最終の週末からは少し上向いた感触もあり、賞与支給、話題機種登場となる7月は少しばかり期待が持てそうです。そして年間の季節指数で最も高い8月まで、上り調子となってもらいたいものです。

さて最近、射幸性の抑制が話題となっています。遊技機の規則改正についての話などもいろいろ漏れ伝わってきており、だからこそ、と言いますか「新機種をどう使うか、どのような機種が支持を得るか」といった発売前の意見交換が活発になっていると感じます。

しかし、特にド底辺ホールについてはこういった「遊技機評価」はまったく関係のない、意味のないお話であると私は思います。ド底辺ホールはそもそも入替に頼った営業戦術はできないからです。「できないこと(=新機種を導入できないこと)を嘆くのではなく、できることは何なのか」を考える方がはるかに建設的です。ただ「新機種のスペックを吟味して使える機種を考える」という作業、これはド底辺ホールに限らずすべてのホールであまり意味のないことだと考えています。

集客するためにはお客さまに「満足感」を感じてもらう必要があります。確かにその要素の一つとして「遊技機(の構成)」はありますが、これは言ってみれば「横並び」で、他社との違いを創り出す源泉ではありません。

満足感には「情緒的な満足感」と「合理的な満足感」の2つがあります。情緒的な満足感を得ているお客さまとはそのお店に対して強い愛着を感じているお客さまです。この場合、ちょっとしたことで離反したりせず、お店と長期的な関係を持ってくれます。

それに対して合理的な満足感を得ているお客さまは、設置遊技機や設備、出玉などを合理的に判断したうえで満足をしているお客さまです。この場合、仮にもっと優れた(と感じられる)代替設備やお店が現れると、合理的な判断に基づいて乗り換えることになります。業績を上げようと考えた場合にどちらを重視した方向性が良いかと言えば、答えは明らかです。

仕事をするうえで「武器(=機種)」の特性を調べることは必要なことだと思いますが、それが第一義ではないです。一番考えるべきことは「どうすれば業績が上がるか」であり、そのためには「お客さまとの関係性を上げること」の方が必要なことだと思います。これから仕入れる武器のことはその後です。

遊技機は差別化の源泉にはなり得ません。お客さまの「情緒的な満足感」を高揚するためのことを考えてほしいと思います。業績を上げる元はやはり、「モノではなく、コト」です。


● 「The Professional」にインタビューが掲載されました
各界の著名人にインタビューをしてその考え方や生き方を紹介する「The Professional」に掲載されました。
http://the-professional.biz/tp0081/
各界で名を成した多数の方の素晴らしいお話が拝見できます。

●おかげ様でジュンク堂大阪本店にて、週間ビジネス書部門ランキング1位を獲得しました! また楽天、アマゾン等のネット販売でも常時ランキング上位となっております。ありがとうございます。
全国の書店で販売、またネットでは下記サイトで購入が可能です。
・amazon
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/434491046X/calepo01-22/

・楽天ブックス
http://books.rakuten.co.jp/rb/14606937/

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
同社ホームページはこちらをクリック

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト, アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社, 林秀樹