林秀樹「ド底辺じゃないホール向け」年末年始分析!

2016.01.16 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト第52回
コンサルティングの現場より(40) 「年末年始営業を終えて。」

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林秀樹です。さて、今回の年末年始営業はどのような結果だったでしょうか。年末の12月に目立った話題機種もなく盛り上がりに欠けるかと思っていたのですが、ふたを開けてみるとほとんどのお店でまずまずの数字を残せたと感じます。しかし、私の支援先のお店のデータでは高レート部門は好調でしたが、低貸し玉部門でイマイチだったところが多くありました。そこで「これはなぜなのか?」を考えてみました。年末年始営業の報告書を提出しなければいけない店長さん、分析の一つとして読んでみてください。

 【仮説①】年末年始期間の短さ
今回の年末年始期間はカレンダーの関係で例年よりも短かった人がほとんどでした。そうするとパチンコに行ける日数も限られるので、「ハイリスクハイリターン」で勝負をかけたくなる気持ちが働いたのかもしれません。

【仮説②】上級財と下級財の関係
「カネがあるからエアコンを買う」「カネがないから扇風機を買う」というように、上級財とは「カネがあるときに買いたいもの」、下級財とは「カネがないときに買いたいもの」です。これをパチンコに置き換えると「4円(20円)=上級財、1円(5円)=下級財」といえますね。そうするとこの年末年始は期間も短く自分の手持ち金で遊べる時間がいつもより短いことから「余暇時間に対する予算金額」が増えたはずです。こうしていつもより「カネがある」ことになり上級財=4円(20円)にお客様が流れた、と言えるかもしれません。

【仮説③】帰省の対応
仮説①でも記載したように、今年の年末年始は短い期間でした。そうすると帰省を受け入れる側はその対応に時間を取られます。一般的に帰省を受け入れる側は年配層。そうです、低貸し玉部門の主要顧客層です。逆に帰省してもすることが少ない(ない?)お父さん方はパチンコに行ったとしても上記仮説②のように4円(20円)で勝負し、帰省しない若年層も4円や20円で勝負する傾向にあったと考えられます。

以上3つの仮説を挙げました。私の支援先では6日以降の平日に高レート(4円、20円)が大きく稼働を落としたのに対して、1円や5円はそれほど落ち込みがありませんでした。これは上記③の仮説を裏付けているのではないかな?と思います。

今回はいつもと内容を変えて年末年始を振り返ってみましたが、次週からはこれまで通り「ド底辺ホール復活プロジェクト」を進めていきます。遅くなりましたが、2016年度もよろしくお願いいたします!

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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