林秀樹「ド底辺が陥りやすい4円パチンコ推しの罠」

2017.04.15 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(105) 間違いだらけの「差別化」

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。4月も半ばを過ぎました。今月はパチスロに久々のビッグタイトルが登場して、これまでの閉塞感が少し緩和されてきたかな、と感じます。

とはいっても活気があるのはこのビッグタイトル機種だけであり、その効果が店舗全体に波及しているとは思えないところがなかなか難しいところです。

さて、上記のようにビッグタイトルが登場しても店舗全体もしくは業界全体が活気づくとは言えない今の時代、新台入替に過度の期待は持てないというのは衆目の一致するところだと思います。そこで考えるのは「自店の魅力を創り出して、機種に頼らない営業を」となり、「差別化、独自性の打ち出し」に活路を見出そうといろいろなことを模索することになります。

しかし「差別化」というものは「強み」とセットでなければ何の意味もありません。良い部分でアピールするからお客さまが振り向くのであって、弱い部分で他店との違いを生み出しても「ダメさ」が際立つだけです。こうしたことをしっかりと考えずに安易に「違い」を強調してはむしろ業績は悪化していきます。

よく見かける「他店との違いアピール」に、「4円パチンコ推し」があります。もちろん4円パチンコの稼働が好調ならば何の問題もないのですが、一般的な大多数のお店は今、4円パチンコの稼働低迷に苦しんでいるはずです。

最近新しい依頼で訪問したお店がやはり上記「4円パチンコ推し」を行っていました。加えて、あえて射幸性を前面に出して4円20円のみの営業です。なぜ4円パチンコ推しを始めたのかというと「競合店の力を入れていない部門、スキマを狙った」とのことでした(周辺は20円パチスロが強い店、1円パチンコが強い店、総台数800台の大型店舗などに囲まれていた)。もちろんお店の思惑とは違い稼働はかなりの低迷です。

私は、
・差別化と強みをセットとすること
・プロダクトアウトとマーケットインの違い
・ポジショニング戦略による自店の立ち位置からの最適な戦術(=フォロワー)
の話をして、低貸玉の導入を進言しました。

上記3つのことはこの連載を読んでいるかたには「当たり前のこと」と映るかもしれませんが、やはりこのお店でも「集団浅慮、グループシンク」が働いていたと思われます。

どの業界、業種業態でも「王道、基本」が一番重要です。「奇手」は「奇手」でしかなく、当たり前のことを当たり前に実行することが、時間がかかるかもしれませんが一番の近道になります。「差別化」の前に「マーケットイン」で考えるようにしてください。


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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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