林秀樹「スタートの向上にはどんな効果があると思いますか?」

2017.10.21 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(132) 10/27セミナー(4)

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。10/27(金)、綜合ユニコム様主催にて「業績アップを図る[現場力][管理力][経営力]強化手法」と題したセミナーを開催します。今回もそのセミナー内容を簡単にまとめてお伝えします。今回は第四部「業績アップを図るために、できること」をお伝えします。

みなさん、突然ですが「スタート回転数を上げる」というのはどういう効果があると思われますか? もちろん、回転数を上げるのでお客様が体感する満足感の向上と出玉率のアップ(=“出る”)という効果がある、と答えるかもしれません。

しかしよく考えてください。例えばスタート回転数を5.50回→5.80回に上げたとしても、1,000円あたりの回転数は18.20回→19.55回と1.35回しか増えません(ヘソ賞球4個、BY6.0で計算)。また5.50回よりも5.80回の方が出ることにはなりますが(5.50回で10.46割、5.80回で11.73割。CR沖海4で計算。)、それはデータ上の一日全体、機種全体での話です。お客様一人ひとりの体感上では「(回る、と思うかどうかは別として)回るから出た」というよりは、「確率や継続回数が良くて(=ヒキが良くて)出た」と考えるものです。

実は「スタート回転数を上げる、本当の効果」は、
・大当りまでにかかる時間を減らし、早く持ち玉になってもらえること
なのです。

大当りまでに必要な時間を計数管理用語では「BO(特賞間アウト)」といい、「BO=TS÷S(×100)」という計算式で表します。この計算式から、大当りまでに必要な「回転数」は変えることはできなくとも、かかる「時間」は変えられることが分かり、もちろんスタート回転数を上げることは早く当たり、早く持ち玉遊技になることを意味します。パチンコにおいては現金遊技中が最も苦痛を感じる時間であり、その時間が短くなることは満足感につながります。

また、「早く持ち玉になること」の副次的な効果として玉単価を下げる効果もあり、お客様の体感上の負担感を下げることができます(このことは2016.10.2「玉単価を重視する」に詳細があります)。

上記のことを別の角度から考えてみます。

「価値工学」という考え方で「V=F/C(V=バリュー、F=機能、C=コスト)」という計算式があります。これは、「価値を高めたければ機能を向上させるか、コストを下げればよい」ことを表している計算式であり、ここでいうコストには金銭面だけでなく、苦労や時間なども該当します。この計算式で「機能=大当り、コスト=時間」と定義すれば、上記「大当りまでの時間を短くする」ことが満足感を高めることになり、スタート回転数を上げることが満足感の向上につながることがわかります。

お客様は「回るから楽しい」のではなく「出る(大当りする)から楽しい」のであり、これはスタート回転数を上げることの意味、見方を転換することでたどり着きます。そしてまた、お店としての理想的なサイクル、つまり「玉粗利は上げずに、稼働を伸ばすことで必要となる台粗利を確保する」についても、「その第一歩がスタート回転数を上げて早く持ち玉遊技になってもらうことである」とつながってきます。

もちろんスタート回転数を単純に上げるだけでは出玉率も上がってしまうので、その他の計数項目(B、BA、T1Y)とのバランス、コントロールも必要です。ですが業績アップは、まずはスタート回転数を上げることから始まります。



● 綜合ユニコム様主催セミナーのお知らせ
10/27(金)、東京ガーデンパレスにて綜合ユニコム㈱様主催「遊技機規則改正後の計数管理活用術 ~業績アップを図る[現場力][管理力][経営力]強化手法~」と題したセミナーを実施いたします。
今回の内容は、
・単店企業、小規模チェーン企業がこの先、どのような営業を志向していくべきか
を、現場(ホール)・管理(責任者)・経営(経営者)の3階層に分けてお伝えいたします。
詳細は下記をご参照ください。
http://www.ab-c.jpn.com/612.html

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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