林秀樹「この春昇進した若人に捧ぐメッセージ」

2017.04.01 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(103) 内容のある意見を

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。長い冬も終わり、いよいよ春、新年度がスタートしました。気持ちをリセットして今年度も頑張っていきたいと思います。

さて新年度となると人事異動もあることだと思います。その人事異動では昇格昇進をした若手の店長、主任などもいることでしょう。そういった方に注意してほしいことがあります。それは「自分を大きく見せる必要はない」ということです。

昇格昇進をするとどうしても気負います。「会社は自分に期待してくれている、だから頑張ろう!」という思いが沸いてくるものです。しかし会社は「期待はしているけどいきなりの結果は求めていない」場合が多いです。その認識を間違うと逆に自分の評価を下げてしまうことにつながってしまう危険性があります。

私の支援先の中にも過去、比較的若い年齢で抜擢された人事がありました。会社が「期待しているよ!」と言えば言うほど本人に気負いが入り、「どんなことでも頑張っていかなければ。」となっていきました。

しかし経験が少ないのでしばしば壁にぶち当たることもあります。これまでしたことのない仕事を任されるのですから最初はうまくいかなくても当然のはずです。例えば稼働が下がっていく、遊技機をうまくコントロールできない、コスト管理がうまくいかないなど主に現場ではなくバックヤード的な仕事で苦しみます。

そういったときに任された本人は強烈な「責任意識」が出るものです。責任意識が強いほど結果に対しての自分なりの原因追及をして対策を立てようとするのですが、如何せん経験も浅いのでなかなか良い対策が浮かぶものではないです。しかし「自分は責任者なのだからしっかりとした意見を、答えを出さなければ」と考えて(少ない経験の中で考え出した)意見を述べます。するとそれは得てして上司から見れば内容の薄い、表面的で中身の感じられない意見となってしまいがちです。

「立て板に水」という言葉があります。よどみなくすらすらと話すことを例えた慣用句で、「彼に話を聞くと立て板に水のようにスラスラと答えるけど、本当にわかってるのかな?」というような使い方をします。

今回抜擢された若手店長も話を聞くといろいろと意見を述べてくれるのですが、「立て板に水」のごとくスラスラと答えるので逆に不安を感じてしまいます。
・わからないことはわからないと言うこと
・できないことを無理にできると言わないこと

抜擢人事の場合、会社は「出来る」と思って任せたのではなく今後の成長の期待を込めての人事のはずであり、今、「わからない、できない」ことは決してマイナス評価とはなりません。今は出来なくともこの先に出来るようになればいいのです。

今回抜擢された方は、薄い意見をいうのではなくしっかりと中身のある意見を出せるようにこれから経験を積んでいってください。


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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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