林秀樹「いつまでも高射幸性遊技機頼りでいいんでしょうか?」

2018.01.27 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(146) 現在の延長に、望む未来はない

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。今週は1月度最終週ですが、今月は2018年の出だしとしてまずまずの売上、稼働のお店が多かったように感じます。ただその中身はと言えば、やはり高射幸性遊技機が売上、稼働を引っ張っている図式であり、いずれ来る、それらがなくなる時を考えると安心はできないと言えます。

業界の歴史を振り返ると過去に2度ほど今回と同じような出来事がありました。
・1997年、現金連チャン機撤去(2004年、法改正によって完全撤去)
・2004年、スロット4号機撤去(経過措置ののち、2007年に完全撤去)
「歴史に学ぶ」というわけでもありませんが、過去の出来事を参考にして今後の取り組みを考えることも必要だと思います。

1997年の後は本格的にCR機時代に入りました。また2007年の後には本格的に5号機時代に入り現在に至ります。この時、当然ながら撤去対象機の方が市場で人気があり、設置できるギリギリまでこれら撤去対象遊技機にこだわったお店が多くあった一方、「いずれなくなるのだから」と考えて入替を進めたお店もありました。入替を進めたお店は当然ながら人気機種が少なくなっていくことになるので、必然的に「機械に頼らない営業」を考えることになります。それが「遊技機の魅力での集客ではなく、お店としての魅力向上で集客を図るにはどうすればよいか」を考えることになり、そしてそれが後の営業のノウハウにつながることになりました。

同じようなことは遊技機の撤去時だけではないです。記憶に新しいところではイベントが規制されたときにも、規制後にもイベントに頼ったお店と早々にイベント頼みから脱却したお店では、その後の業績に大きな差が出ています。

これらのことから言えることは、今すべきことは現状の延命を考えることではなく、新しい環境を生かすためにどうするかを考えることだということです。

これから迎える未来は、混沌としているというよりもむしろハッキリと示されている(把握できる)と思います。つまり現在の主力機種はいずれ無くなるという事実です。

「孫子の兵法」の兵勢篇に次のような一節があります。

「孫子曰く、善く戦う者はこれを勢に求めて人に求めず。故に能く人を選びて勢に任ぜしむ。」(昔の戦の上手い武将は、戦で兵士一人ひとりの力や武器に頼らず、勢いを出すような組織全体としての力を重視する。)

個別の遊技機に頼るのではなく、お店全体の魅力を向上させることの重要性を示していると思います。



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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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