即効性があるパチスロ営業重視の罠

2018.09.15 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(179) パチンコに目を向ける

皆さんこんにちは、アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。ここ数年、どのお店もパチスロに力を入れてきた傾向があります。理由はだいたい以下のとおりです。
・パチンコに力を入れても反応が薄い
・パチンコのお客様はなかなか動かない
・パチスロは若者が多く、新機種に反応しやすい
・パチスロのお客様は腰が軽く取り込みやすい

つまりパチンコとパチスロは反応が真逆であり、かつパチスロのほうが施策に対して即効性があると考えられるからです。しかし「パチスロのお客様は動きやすい」というのは、自店が取り込みやすい反面、他店にも取られやすいということを意味しており、そのため頻繁に入替をせざるを得なくなり、いつまでもこのループから逃れることができなくなっています。そしてこの状況はおかしい、変えなければ、と感じているはずです。

「今現在がおかしいならこれまでのやり方に問題があった」と言えます。どれだけパチスロに力を入れて新台を投入しても業績が横ばい、もしくは下降気味という現在はこれまでの施策で作り上げられた状況です。

だからこそ、ここで発想を転換して欲しいと思います。つまり「パチンコのお客様はなかなか動かない」ということは「パチンコのお客様は一度取り込めれば、そうそう離れない」という考えです。

「それはそうだが、即効性がないから取り組めない。」

このように考える方もいると思います。しかしこの言葉の裏には「効果があるとは思うが、時間がかかるからできない」という考えがあります。つまり「効果はある」と思っているはずです。でも知っていても動かなかったら何も得られないです。

今、目の前の稼働を見ると旧基準(高射幸性)のパチスロに人気が集まっています。しかしこれらも長くてあと2年で撤去となります。ということは再来年以降のパチスロが厳しい状況になることは明確です。「パチンコの強化に取り組んでも効果が出るには時間がかかる」とわかっているなら、今すぐに始めないと間に合いません。私の支援先でもほとんどがこの事実に目を向けて、今、パチンコの強化に取り組んでいます。取り組みが遅くなればなるほど、「その時」に間に合う可能性は少なくなります。


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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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