これまでの「行き当たりばったり」からの脱却(林秀樹)

2019.08.23 / 連載

【金曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(227) やると決めたら、やる

 

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。お盆営業が終わり、今週はほとんどのお店が新台入替をしています。しかし、やはりというか当然というか、それでも稼働は厳しい状況だと感じます。

ただこのように総じて厳しい中でも一部にはしっかりと集客できているお店があります。これは先週の記事でも述べた通り「それまでの取組みの結果」なのですが、この「それまでの取組み」とは、「やっていることが一貫している、徹底している」ということです。このことはしっかりと集客が出来ているお店に共通していえることです。

逆に、稼働の厳しいお店のほとんどに共通していること、それは「行き当たりばったり」ということです。現場でよく聞く声に、

・その時々の流れを見て、考える

・ここまで取れていたら出すように、取れていなかったら回収を強化するようにする

というものあります。

 

「稼働が低いから計画してもその通りに進むはずもなく、だからこそ日々柔軟に対応しています。」

という主張は一見もっともらしく聞こえますが、しかしそこには何のビジョンも計画性もなく、ただ目の前の「結果」を追うだけで一貫性がありません。

 

例えばある機種の強化をしていこうと考えたとします。この時、これまで結果を残してきたお店は、「決めたことはやり通す」という実行力を持っています。

一方、業績が芳しくないお店は、強化していこうと考えてもそれを実行、継続できません。

・「強化策を考えたが、できる状況ではないと考えてまだ取り組んでいない。」

・「強化策を始めたはいいが、取れないので戻した。」

・「強化策をしても効果が見られないので、戻した。」

というような言い訳で、すぐに止めてしまうかそもそも実行しない例がとても多いです。

 

実行しない、続けなかったら、描いた道筋とその目的地は「理想」ではなく「妄想」です。もちろん、「利益面でうまくいっていないのだから、強化したいと思っても全体を考えるとできない」という意見もあるでしょう。しかしそれこそ結果論です。

 

業績を上げているお店は「実行力」にプラス「優先順位付け」がしっかりとしています。稼働が厳しいお店ではなくとも、業績好調なお店でも利益が適正に確保できていないことはありますが、そういったときには、

・何が優先すべきことか、何を第一に考えるべきか、何を考えてこの施策をしようとしたのか

を考えて行動を決めます。そこには「一貫性」があるのです。この場合の「一貫性のある対応」とは、

・決めたことは全体の結果に左右されずに、強化を継続(または開始)

・その他の部門、機種で全体の計画を達成するように修正をする

となります。また機種単体の強化ではなく「強化日、特定日」という日があるとするならば、その日は明確な目的、目標のためのメンテナンスとし、その他の日にちで全体の達成を目指すべく修正を行います。

 

先週の記事でも「競合店舗は普段の営業を重視している」とお伝えしました。お盆営業が終わりまた新たなスタートのこのタイミングで、これまでの「行き当たりばったり」から脱却して「明確な目標、目的を第一に考えた行動、営業」をするように変えていってほしいと思います。

 

 

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

【金曜】ド底辺ホール復活プロジェクト, 林秀樹
道俊さん4年以上

いつも参考になります。年末に向けて頑張っていきます。

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クレティ4年以上

その通りですなあ。
やっぱり決めた事は、しっかりと強化してかないと、揺らいでいては、お客様も感じとりますからね。
簡単そうで、なかなか難しいですよね。

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