お客さまが「泣いた分」ではなく「喜んだ分」利益の増える計画の立て方(林秀樹)

2020.02.21 / 連載

【金曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(253) アウト重視は、利益重視

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。
2月も終盤です。ここまでを振り返ると多くのお店で平日の稼働が大きく低下しています。年末年始の稼働が比較的好調だったので逆にこの落ち込みに対する印象がとても厳しいものになりました。
もちろんこれは事前に予測ができていたことでであり、そしてこの厳しい稼働は3月までは続くと思われます。

さて、このように稼働が厳しい時期にはどのようなことを考えていくべきか?。
今回はそういったお話をしていきます。


どのお店でも営業計画を作成すると思います。作成方法はいろいろありますが一般的なものは、

  1. 月間粗利額を決める。(すでに年間計画で決まっている場合はそれを使用する)
  2. 玉単価予測と日別の稼働予測から日別売上計画を立てる。
  3. 月間粗利額を日別に配賦し、割数(利益率)をみて微調整をする。もしくは玉粗利をみて微調整をする。

という流れだと思います。
つまり作成の主要指標は売上と粗利益、玉単価と玉粗利、稼働と割数(利益率)であり、「どのように利益を確保するか」を考えていく作成をしています。

さて、上記とはまた別の角度で考えた計画立案手法があります。

  1. 月間粗利額を決める。(すでに年間計画で決まっている場合はそれを使用する)
  2. 玉粗利を決める。
  3. 必要な稼働を算出する。

この考え方は、
・月間粗利=日別粗利×日数
・日別粗利=台別粗利×台数
・台粗利=玉粗利×アウト
というように粗利益の構成要素を分解していくことで、最終的に「適正と考える玉粗利での、必要な稼働」を決めていく考え方です。この手法の優れているところは、「お客さまの求めることを考えることが利益につながる(お客さまの求めていることをすることで稼働が上がるので、利益が増える)」ということが出発点になっているところです。

営業計画を売上利益率割数から立てると、どうしても「お客さまが泣いた分だけ」利益が増えることにつながります。これを玉粗利アウトを基にして計画を立てるように考え方を変えるだけで「お客さまが喜んだ分だけ」利益が増えることになります。

現在は高ベース機時代となっていることで玉単価が低下しており、だからこそ稼働が上げやすい時代となりました。今一度、この機会に考え方を「利益を増やすにはアウトを伸ばす」と切り替えてください。

この「アウト重視」は、決して利益軽視ではなく、今の時代にマッチした「利益重視」の手法です。


アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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