お客が体感できるのは1000円スタート

2019.04.13 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(209) 遊技機管理も時代に合わせて

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。新要件遊技機の設置が徐々に増えてきました。当初はその性能面が旧要件遊技機に劣ることから悲観的な見方もありましたが、ここ最近の新機種は今後の可能性を感じさせる稼働結果となっています。

これら新要件遊技機はベースが高いという特徴があります。これは旧要件遊技機とは明確に違う部分であり、この特徴を無視した遊技機メンテナンスや管理では、今後の新要件遊技機の効果的な運用はできないと思います。

これまでの遊技機メンテナンスの管理はアウト100個当たり(1分間当たり)の回転数が主となっていました。しかし今後はベース値も含めて総合的に管理していく必要があります。1分間当たりのスタートだけではなくベース値も含めて総合的に管理できる指標、それは「1,000円スタート」です。

これまで店舗で主に管理していた1分間スタートは、実は遊技客にとってはそれほど重要な要素ではないです。むしろ遊技客は「1,000円でいくつ回るのか」の方が体感的に判断しやすい指標なのでそちらで遊技台の良し悪し(回るか、回らないか)を判断します。

ここで次の2つの店を比べてみます。
A店:1分間スタート5.20回 ベース38%
B店:1分間スタート5.50回 ベース30%

A店とB店を1分間スタートで比較するとA店の方が回っていません。しかし1,000円スタートで比較すると、
A店:1,000円スタート 20.97回 ({250÷(100-38)}×5.20)
B店:1,000円スタート 19.64回 ({250÷(100-30)}×5.50)

となり、A店の方が遊技客の体感上は「回る」という印象になることが分かります。

「決して回していないことはないはずなのに・・・」と思ってしまう前に、まずは自店のベースと1,000円スタートを再確認してほしいと思います。旧要件遊技機時代の管理では「いかにベースを抑えて1分間スタートに割り振るか」が重要だとされていましたが、新要件遊技機時代になった現在、「いかに高ベースであることを活用するか」を考える時代になりました。

時代、環境は変わります。それに合わせて管理指標や管理手法も変えていくことが必要です。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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