【金曜】藤崎敏郎「部下を叩いて威厳を保つ勘違い」

2016.01.15 / 連載

藤崎敏郎の人材育成セミナー
第80回「部下の初めての仕事は成功体験をさせること」

部下育成が上手なリーダーの行動特性(コンピテンシー)があります。部下の初めて体験する仕事では、成功体験をさせていることです。ある程度実力のある部下なら、うまく行く方法などは教えないで任せてもいいかもしれません。しかし、結果については褒める・認める言葉をかけるのです。

上司から見たら部下の初めての仕事でしたら、欠点を見つけようとするといくらでもできるでしょう。しかし、この時の上司の指導の言葉しだいで部下の将来が決まるのかもしれないのです。例えば、チャレンジしたことだけでも褒めて成功とするリーダーの下なら部下は育っていきます。部下はチャレンジすることが楽しくなるからです。チャレンジする楽しさを覚えた部下には、与える仕事のレベルを上げていって、成功体験を積ませていきながら育成をしていきましょう。部下は成功体験を積み重ねると、仕事に対する自信を持つことができます。ある調査によると、自分自身の仕事の問題解決能力に自信があるのは20%程度だというデータがあります。自信を持たせる指導をするのも上司の役割なのです。

部下育成が下手なリーダーは、部下のレベルを考えずに仕事を与えています。「失敗から学べ」と、結果についても突き放すような指導をしています。このやり方で成功するケースもありますが、部下に初めての仕事で大きな失敗だと感じさせると、新しい仕事にチャレンジしなくなります。そのためにも、小さくても良いので、初めての仕事では成功だったと感じさせることが大切なのです。

世の中にはできていないことだけを指摘して指導をする上司の方が多いのかもしれません。まるで、自分が相手より能力があることを示して、部下を徹底的に叩くことが上司の威厳を保つ方法と勘違いをしているようです。経営者にも同様な人がいます。部下の意見を聞くと経営者としての威厳がなくなるからと、部下の意見を叩きつぶす経営者もいるのです。このような上司や経営者の下で働く部下は、どんなに潜在能力があったとしても花開くことはありません。チャレンジしては叩かれてきたので、怒られないことだけを考えるようになります。もし、自社の社員が自分で考えて行動しないという上司や経営者がいたとしたら、それは、そのように自分たちが指導・教育をしてきたからなのです。初めての仕事は、成功体験をさせるというコンピテンシーさえ知らなかったことが原因なのです。

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◯プロフィール(藤崎敏郎)

・株式会社パートナーズリンク社長 ホームページ⇒http://p-link.co.jp
・一般社団法人日本アミューズメントコンプライアンス協会理事長 ホームページ⇒http://www.jamca.net/

元セブン&アイグループの本社スタッフ。パチンコ企業にスカウト採用され、営業部長、そして、社内大学のメイン講師として活躍。その後、キャリアコンサルタ ントと社労士資格を取得して独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでのコンサルティング企業数は延べ300社以上、研 修の受講者数は15万人を超える。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修講師と評判が高い。

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