【金曜】藤崎敏郎「火の用心だけでは火事は起きる2」

2015.10.16 / 連載

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※日曜日から金曜日に移動しました!

藤崎敏郎の人材育成セミナー

不正行為については、厳しい措置を取ると宣言している会社がほとんどです。しかし、不正行為はなくなりません。もしかしたら、“火の用心”のスローガンだけでは火事が防げないのと同様に、具体的に不正行為とは何かをことを教えていなかったことが原因なのかもしれません。部下には不正行為としてやってはいけないことを具体的に教育しましょう。それが部下を不正の誘惑から救うことになるからです。(前回参照

一般的な就業規則には次のようなことが書いてあります。

(懲戒規定例)

・    営業上重要な情報を社外の者に漏えいしたとき。

・    会社、店舗の金銭、備品等の横領が認められたとき

このようなことを具体的な事例を話して部下指導をしなければなりません。例えば、業務上の重要な情報とは何かを具体的に話しておくのです。具体的に言わないと、頭の中でイメージできないのです。イメージできないことは行動することができないのです。だから、自分の判断をしてしまって、これくらいいいだろうと軽く考えてしまうケースがあるのです。

例えば、情報漏洩の具体例は、会社や店舗の人事情報かもしれません。営業上の機械データや機種ごとの営業割数も重要な情報になるでしょう。そのデータを競合店に漏らした社員がいて、大損害を受けたと聞いたことがあります。それから、スロットの設定を他の人に漏らすのも情報漏洩に該当するでしょう。最近、他の業界ですが、大きな情報漏漏洩の問題となったのは会員リストの持ち出しによる売買行為です。

また、会社や店舗の金銭、備品等の横領についても具体的な事例を話しておきましょう。売上金、元金、両替機、自動販売機、レジ売り、などの現金もあれば、パチンコの玉・スロットのメダルなどの持ち出し・横流し、そして、計数器やコンピューターデータの改ざんによる不正行為もあります。当然に実際にこれらの行為を行った社員は懲戒処分を受けます。そして、これらのことを他の社員が行っていることを知っていて黙っていたとしたら、黙っていた社員も懲戒処分を受けることになると教えなければなりません。会社はこのようなケースでは、横領をした本人だけでなく、それを知っていて通報しなかった社員にも厳しい処分をすることが就業規則に記載されている会社がほとんどだからです。

 今回の格言は、

「不正行為は具体的な事例で厳しく指導することが抑止力になる!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修 講師と言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタル ヘルスマネジメント2級、宝地図ナビゲーター、レイキティーチャー、エネルギーマスターなど

http://p-link.co.jp/index.html(ホームページには各誌の書いた原稿を掲載中)

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