【金曜】藤崎敏郎「時間確保は未来への投資」

2015.04.24 / 連載

※日曜日から金曜日に移動しました!

藤崎敏郎の人材育成セミナー

第41回「 部下指導しない上司は……ある木こりの話 」

部下指導をする時間をなかなか取れない人がほとんどだと思います。「忙しくて、そんな時間なんか取れない」という声をたくさんの人から聞いています。次の有名な話が参考になるかもしれません。

ある木こりの話

ある日の朝、あなたが森の中を歩いていると、奥のほうで汗を流しながら一生懸命に、のこぎりを引いている木こりを見かけました。「何をしているのですか?」と、あなたは聞きました。すると、「見ればわかるだろう。この木を倒そうとしているのさ」と答えます。

あなたは、夕方の帰り道にまた同じ場所を通りかかりました。すると、朝と同じ場所で、まだ一生懸命に木こりが木を切り続けていました。あまり作業が進んでいないようです。あなたは、木こりに声をかけました。「大変ですねえ。あまり作業が進んでいないようですが、少し休んで、ついでに、のこぎりの刃を研いだらどうですか?」

すると木こりは、「なに言ってんだ、そんな暇なんて無いさ。切るだけで精一杯なんだから。」(参考:スティーブン・R・コヴィー著「七つの習慣」)

この話の感想を聞くと、「木こりは、のこぎりの刃を研いだらいいのになぁ。ばかだなぁ」という人がほとんどです。

しかし、この話を自分に置き換えたら、いかがでしょうか。例えば、部下指導です。木こりと同じように、「忙しくて部下を教える時間なんて取れない」という声を聞くことがあります。しかし、部下指導の時間を取っていなかったとしたら、いつまでも忙しい状態は続くでしょう。自分の仕事の一部分でも代わりにできる部下を育成しなければ、仕事について深く考える時間さえ取れないでしょう。深く考えられないので、現状維持の仕事の繰り返しになります。一番の問題点は、自分自身の能力を高める時間が取れないことです。本を読んだり、セミナーに出たり、そして、メンターと言われる人に出会うこともできないでしょう。未来の自分自身に対する投資ができないのです。

私自身も毎日仕事をしながら、木こりのような失敗をたくさんしてきました。一所懸命に仕事を遂行してきた会社員時代がありました。自分自身のスキルを高める勉強をして、優れたメンターと出会う機会を自分から作っていなかったのです。結果として、社長からは「必要でない」と、言われることになりました。

絶えず、自分を磨きましょう。出会いの場には自分から出かけましょう。それが、自分を成長させ、そして自分自身を守ることになるからです。そのためには、それができる時間を確保できるように、自分の代わりの仕事ができる部下を育成しておくことなのです。

今回の格言は、「部下指導をしない上司は会社から必要とされなくなる!!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修 講師と言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタル ヘルスマネジメント2級、宝地図ナビゲーター、レイキティーチャー、エネルギーマスターなど

http://p-link.co.jp/index.html(ホームページには各誌の書いた原稿を掲載中)

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