【金曜】藤崎敏郎「会社を倒産に導く一言」

2015.05.22 / 連載

※日曜日から金曜日に移動しました!

藤崎敏郎の人材育成セミナー

会議中に「やる気がないなら会社を辞めろ!」と大声で怒鳴る社長がいました。この言い方をすると、聞いている人たちの頭に残るのは、脳科学では後半の「会社を辞めろ!」という言葉になります。「やる気がないなら」という言葉は頭に残りません。それも、どんな人がそう思うかというと、素直で一生懸命頑張っている人ほど、言葉を素直に聞くので「会社を辞めろ」という言葉が頭に残るのです。だから、いい人ほど、そして、やる気のある優秀な人ほど、会社を辞めていくことになります。だから、このようなマイナスの言葉を言う経営者がいると、優秀な人ほど辞めていくので会社の業績は落ちていくのです。たくさんの会社を見てきましたが、経営者のマイナス思考とマイナス語が日常にはびこっている会社は、業績低下になることが多いです。

経営者でありながら、大人になりきっていないで、子供のように思っていることをそのまま話しているのです。おそらく、自分の守るべきものが経営者として分かっていないのかもしれません。経営者であれば、守るべきものは一緒に働く社員であり、お客様であり、会社の存続です。

同じことを部下の社員も思っています。しかし、経営者に言うことはできません。だから、そのことに経営者は、自分自身で気づかないとなりません。会社のトップになると権限が集中します。何か言うと怒られるのではないか、場合によってはクビになるかもしれないと、部下は遠慮していること、本当のことを言うことができないことに気づかないとなりません。しかしながら、逆に、お世辞やおべっかを言う社員をそばにおいて、苦言を言う社員を遠ざけるようになります。

結局、「やる気がないなら辞めろ」という社長の会社は、倒産する可能性が高いでしょう。社長こそ、本当のやる気を出さないといけなかったのです。そして、やる気の出し方と出させ方を学ばないとならなかったのです。もし、経営者の方々で、このブログを読んでいる人にアドバイスをするとしたら、次のようなことになります。経営者でない立場で何らかのグループに参加することです。一般の一人として、そのグループに参加するのです。すると、社長という身分が全く役立たないことに気づくことができます。それは、一般の人が参加する勉強会でもいいでしょうし、地域清掃などのボランティア活動でもいいでしょう。できれば、継続的な活動がいいです。

「定年後の幸せ生活セミナー」というテーマで講演をしたことがあります。その中で定年後に失敗する人のタイプのアンケートを取ったら、“威張っている”という声が多くの人から上がってきました。経営者や部長クラスの人は、会社員時代と同じように地域活動やボランティア活動でも、自分は動かないで“威張って”指示命令ばかりをしているそうです。そして、うまく行かない人をみると、会社員時代と同じように、「やる気がないなら辞めろ!」という態度を取っているそうです。うまく行かない原因は自分にあることを学ばないとなりません。このような体験をできるだけ早くすることです。定年後では遅いです。会社に勤務している時に、体験しておきましょう。

今回の格言は、

「やる気がないなら辞めろというと、やる気のある優秀な人が辞めていく!!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修 講師と言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタル ヘルスマネジメント2級、宝地図ナビゲーター、レイキティーチャー、エネルギーマスターなど

http://p-link.co.jp/index.html(ホームページには各誌の書いた原稿を掲載中)

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