【金曜】藤崎敏郎「ビジネスマナー伝授の極意」

2015.04.03 / 連載

※日曜日から金曜日に移動しました!

藤崎敏郎の人材育成セミナー

第38回「 できない上司の指示を部下は聞かない!」

ビジネスマナーは同じ組織の中で働く人たちの「共通言語」です。最低限これができていないと、コミュニケーションがスムーズに取れません。社会人は必ず身に付けておかなければならないものです。しかし、春先に新入社員が入社してくると、次のような言葉がよく飛び交います。

「近頃の若い者は・・・」

「そんなことも知らないのか!」

「親に何を習ったんだ!」

当たり前のビジネスマナーができていないと、上司やお客様からもこんな言葉が聞かれてしまうのです。尊敬語、謙譲語などの言葉遣い、挨拶の仕方、席の座り方や、細かい気配りのことなど、たまに目に余る行為があることも事実です。しかし、自分自身の若い頃はできていたでしょうか。

実は全体的な傾向としては、教育・研修などの成果により、昔の若者より今の若者のほうが、社会人マナーが身についていると言われています。それでも、若い人のマナーが気になってしまうというのは、今の自分と比べてしまうからかもしれません。いろいろと経験して、先輩や上司からも何度も怒られたり、恥をかいたりして、実は身に付けてきたのです。四千年前のエジプトの壁画に、「最近の若いものは・・・」という言葉が書かれていたという話が有名です。いつの時代も、先輩から見たら後輩のマナーは気になるものです。

社会人マナーに限らずですが、人が望ましい行動をしない、できない場合には、3段階のパターンがあります。このどの段階にあるのかの見極めがとても大事です。

1.やり方を知らない

2.知っているが技術がなくてできない

3.やり方も知っているし出来る技術もあるのに、やらない

企業での問題は、「3.やり方も知っているし、出来る技術もあるのにやらない」と捉えていることが多いのですが、しかし、実際に調べてみると、実は「1.」か「2.」の問題であることがほとんどです。解決策も、「やり方の知識を教える」、「練習してできるようになる」というアプローチだけで、飛躍的に良くなるケースが多いです。ビジネスマナーは、本人のやる気の問題ではなく、知識を教えて、ちょっと練習すれば解決することがほとんどなのです。

このような社会人マナーの研修をする際、一番大切なのは、実は上司に恥を欠かせないことです。部下には厳しく言っていても、上司が分かっていなくてできていないことも多いのです。(例えば、時間厳守など社長ができていないケースもあります)さりげなく、知識を身に付けてもらうよう、上司側にも伝わるように配慮することも多くあります。まずは、まだ知識も技術もない若者と同じだという目線で接し、できるように知識を教え、練習させ、実践の場でフィードバックをしていきましょう。きっと大きく変わってきます。ビジネスマナーさえできていない上司の言うことを部下は聞かないからです。

今回の格言は「ビジネスマナーを知らない上司の言うことを部下は聞かない!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修 講師と言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタル ヘルスマネジメント2級、宝地図ナビゲーター、レイキティーチャー、エネルギーマスターなど

http://p-link.co.jp/index.html(ホームページには各誌の書いた原稿を掲載中)

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