【金曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第6回

2015.02.13 / 連載

今すぐ考え方を変えろ(3)知識があってもダメ

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。これまでの連載で「ド底辺ホールの店長が結果(成果)を得られない理由」として、「戦術、施策中心になっている」「がんばる方向性を間違っている」「自分の限界までしか努力をしない」などを挙げてきました。ここで今回は連載の中間まとめとして、「効果が得られない、その根本原因」についてお伝えします。

これまで、「ド底辺ホールという現状から脱却するには今までと同じことを繰り返すのではなく、別のことを考えて取り入れていくことが必要」とお伝えしてきました。別のことを考えるというのはつまり新しいことを取り入れる、これまで知らなかった知識を得ていくということです。さらに「1.2倍のスピードで動くことで空く時間を有効に活用」してさらに知識を習得していってほしいとお伝えしています。以上のことを進めるとどんどん知識がたまっていくでしょう。

 しかしド底辺ホールの現場で多くみられるのは、「せっかくの知識を得ても動かない」という現状です。ここでいう「動かない」というのは、効果があると思われても取り組まないことを指します。ド底辺ホールであっても業界誌やビジネス書をよく読むなど勉強熱心だったりしますが、総じて過去の経験に固執して新しいことを取り入れない傾向にあるのです。(だからこそ第4回連載で「違うことの必要性」をお伝えしています。冒頭の3つはどれも自分の範囲内だけの行動です。)

「良い本を読まない人は、字の読めない人と等しい」とは哲学者ソクラテスの言葉です。とても深い言葉ですが、私はこの言葉をこうアレンジして考えています。「知っていても動かないのは、知らないことと等しい」。知っているということに何ら意味はないということです。結果(成果)は知識量に応じて得られるわけではありません。その人が知識に基づいて何かを成し遂げた時、または知識に基づいて部下なりに何かを成し遂げさせたときに結果(成果)が得られます。さまざまなことを知っているだけでは何も変わらないということ、知識の先に行動を伴ってこそ、ド底辺ホールからの脱却が見えてくるということを強く意識してください。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

 

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