【金曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第2回

2015.01.16 / 連載

ド底辺ホール、ここが間違い(2) 「目前の問題はあとにしろ」

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。先週から「ド底辺ホール復活プロジェクト」を連載させていただいています。前回は「戦術はあとにしろ」と題して、「動く前にまず考えてから」というお話をしました。今回はさらに一歩踏み込んで、「考えることは今目の前のことではなく、もっと先のことを」という話をしたいと思います。

「ド底辺」というからには今置かれている現状には不満がありありですね。だからこそ日々もがき、足掻き、様々な施策を打って現状打開を模索しているはずです。前回は、「ただ動くのではダメ。動く前に考えなさい」とお伝えしました。でも、「何をどんなふうに考えればいいのか?」という問題が残っています。それでは皆さん、次の質問にお答えください(※具体的に、明確に、できれば数字も使って示してください)。

① 「今現在の店舗はどんな店舗なのか?」

② 「自分はどんな店舗で働いていたいか?」

さて、どんな状況や数字となったでしょうか。 これは「As is-To be分析」といわれ、「理想と現実の違いをはっきりと認識し、足りない部分(=ギャップ)をあぶりだす」のに効果的な手法です。(As is=あるがまま、現状のこと。To be=やがて、将来のこと。)そしてド底辺ホールは、この「足りない部分」を埋めるために必要なことを考えていくことを優先していかなければならないのです。

As is-To be分析とその活用は次のように行います。 例) As is → 4円P稼働5,000発である To be → 4円P稼働10,000発としたい

これによって現状と理想には5000発の格差があることがわかりました。この格差を「ギャップ」といい、「何ができていないからこの差が出るのだろうか」を考えるきっかけになります。機種構成なのか、広告宣伝が間違っていたのか、入替タイミングが間違っていて訴求できていなかったのか、などなどです。 続いて、「To beの期限」を切ります。要は「いつまでに達成するの?」と決めるのです。たとえばこの期限を「12か月後」としたとします。すると今度は、「12か月後に10,000発なら、少なくとも6か月後には7500発になっていないといけない、3か月後には6000発くらいはないといけない」などという「中間目標」が見えてきます。この中間目標のことを「マイルストーン」といい、これがあることで最終到達地点までの道筋が見えてきます。

ド底辺ホールから脱却するには、①まずは理想をしっかりと持つ、②その理想と現実の違いを把握する、③理想到達までの期限を区切る、④中間目標を定める、の4つを考えることから始めてください。目の前の問題を優先すると方向性、道筋が安定せず常に右往左往する羽目に陥りますが、理想を設定して動くことで必然と目の前の問題も解消に向かいます。「本当に必要な重要なこと=目指すべき到達地点からの逆算」を優先して考えることに取り組むようにしてください。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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