【日曜】藤崎敏郎の人材育成セミナー第4回

2014.08.02 / 連載

部下に仕事を分かりやすく教える方法のゴールデンステップを教えましょう。今回の話はそのまますぐに使えますよ。

教える際には、次の「教え方の6ステップ」を踏むと、相手に分かりやすい教え方になります。

 ♦ステップ1.目的を教える

 ただ、やり方を教えるのではなく、目的を教えること。その業務の結果が何につながるのか。例えば、業務が職場全体の業績にどのように影響するかを教えられたら最高。そして、部下のやる気を引き出すために自分の思いも付け加えて話すと、部下は感動するかもしれません。「僕は君を副店長にしたいんだ。だから、厳しいことも言うけれど、本気で教えるからね」なんて言える店長やエリア長ってカッコいいと思います。

♦ステップ2.業務の手順を分解し、急所を教える

〝分かることは、分けること〟なんだ。まず、自分自身が作業分解でき+急所をつかんでいることが大切。秘訣を教えると、具体的には、業務を時間で分けて考えたり、場所で分けて考えたりすると分かりやすくなるんです。例えば、店舗の問題点は何かと聞かれてもすぐに答えが出てこない……しかし、「開店前の業務の問題点は何?」「開店直後のオペレーションの問題点は何?」「ピークタイムのサービスの問題点は何?」と、分けて考えると答えやすくなる。ためしにやってみると効果の大きさが分かります。

♦ステップ3.業務をやってみせる

手順にそって、自分がやってみせる。そして、急所を教える。このやってみせる効果は、とても大きい。部下ができていないのは、自分が手本となってやって見せていないからだと思って、何度もやって見せましょう。

♦ステップ4.業務をやらせてみる

手順にそって相手にやらせてみる。そうすると、できている部分、できていない部分が分かる。前のステップ3と、このステップ4は、ロールプレイングです。できていないことは、ロールプレイングを繰り返すと、うまくいくと思います。ロールプレイングは最高の教え方!

♦ステップ5.業務を評価し、助言する

評価という意味は、できている部分はほめ、できていない部分は改善させること。教える人が質問をして、できていない部分を本人に気づかせるのが上手なやり方。部下は改善しようという気持ちが大きくなるから。例えば、「どこができていて、どこができていないと思う?」と聞く。本人が気づくと、自分から改善するようになるんです。

♦ステップ6.業務の後をみる

教えた後も、ちゃんとできているかどうか観察すること。これが抜けているケースが多いんです。いつの間にか教えたやり方と違っているケースもあるから。この6つのステップは、人を教えるゴールデンステップだと僕は思っている。

今回の格言は、僕のではないけど、やはりこれ!

「やって見せて、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば、人は動かじ」山本五十六

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

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元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとして独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1人事コンサルタントと言われている。

取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタルヘルスマネジメント2級

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