【日曜】藤崎敏郎「話を聞く目的/部下育成の極意」

2015.01.05 / 連載

藤崎敏郎の人材育成セミナー

第26回 「聞き上手な上司の下で、部下は育つ!」

話を聞くことは誰でもできます。なので、研修で学ぶことではないと思い込んでいるのです。ところが話の聞き方をしっかりと学ぶと、人間関係が大きく良い方に変わります。今の部下と話しているときの態度はどうでしょうか。ちゃんと部下の目を見ながら話しを聞いているでしょうか。「うなづき」や「相づち」を入れているでしょうか。まず、部下に話の聞き方を教えましょう。聞き上手の五箇条があります。次のようなものです。

①体で聞くこと

話し手に正面を向いて聞くことです。顔だけでなく体も足も相手のほうにまっすぐ向くことです。そして背筋を伸ばして胸を張ってあごを引いて話し手をまっすぐ見ることです。

②目で聞くこと

相手の顔を見て話を聞くことです。話に関心があること、相手に好意を持っていることを伝える働きがあります。

③ 手で聞くこと

メモを取りながら話を聞くことです。人は、聞いただけではすぐに忘れてしまいます。重要なポイントをメモに残して読み直しましょう。

④口で聞くこと

話の節目で「はい」と相槌を打ち、聞いている、理解していることを相手に伝えることです。

⑤顔で聞くこと

話の内容に合わせて真剣になったり、笑顔になったり、不安になったり、怒ったり、表情を豊かに表現することです。

このようなことを教えることによって、自分自身も気を付けるようになります。人の不安要因はさまざまですが、共通するのは存在する会社や組織で必要とされているかどうかです。この不安を軽減するためには「心から聞くこと」により相手の存在を受け止め、その言葉に耳を傾けることです。それによって人は「受け入れられている」「ここにいていいんだ」と、会社や組織の中に自分の存在を感じることができるからです。「がんばれ」と声を掛けることや気力で乗り切れという精神論も時には必要かもしれませんが、それよりも人に必要なのは、あいづちを駆使しながら心から話を聞いてくれる上司の存在なのかもしれません。

今回の格言は、「聞き上手な上司の下で、部下は育つ」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修 講師と言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタル ヘルスマネジメント2級

http://p-link.co.jp/index.html(ホームページには各誌の書いた原稿を掲載中)

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