【日曜】藤崎敏郎「管理職よ自らを高めよ!」

2014.09.22 / 連載

藤崎敏郎の人材育成セミナー第11回

「自分の任務って何か」をほとんどの管理職は考えていないものです。任務とは果たすべき責任のことです。そもそも、自分の果たすべき責任って何でしょうか。会社によっても、役職によっても、部門によっても違うかもしれませんが、次の三つが私の考えている管理職の三大任務です。

①より高い業績・成果を上げる

②部下後輩を指導・育成する

③より質の高い役割を目指し、自分自身を高める

一つずつ説明をします。

①  「より高い業績・成果を上げる」

管理職は常に高い目標にチャレンジします。売上・収益・コストに加え、業務品質にも目配りをする必要があります。短期の業績だけでなく、長期の業績を向上させることが管理職の任務になります。業務品質とは、例えば仕事のレベルと思うと分かりやすいでしょう。他の人のモデルとなるレベルが理想です。

②  「部下を指導・育成する」

管理職のマネジメント能力の中で、もっとも大事なのがヒトに対するマネジメント力です。つまり部下を指導・育成できなければなりません。自分自身が出来るのは当たり前で、部下にやる気を出させ、部下の業務レベルを上げていける力が要求されます。例えば、やる気を出させる手法として、部下を褒める・叱るなどのスキルがあります。

③  「より質の高い役割を目指し、自分自身を高める」

部下を指導・育成していく上で重要な考え方は、部下を「管理」するのではなく、「あの人なら」と部下に思わせることがポイントです。そのためには自分自身が魅力的な人間であることが大前提です。自分自身を常に磨き、上司として尊敬できる存在であることが何よりも重要です。

この三つの中でどれが一番重要でしょうか。おそらく①「より高い業績・成果を上げる」が一番だと言う人がほとんどだと思います。実は、長期的な業績の向上のためには、③「より高い役割をめざし、自分自身を高める」が一番重要だと私は感じています。会社は人の集まりです。そこには人間の感情があります。例えば、自分自身を高めていない尊敬できないような上司の言うことを、部下は真剣にやろうと思うでしょうか。プラスαの成果を出そうと思うでしょうか。「あんなヤツの言うことなんか、やってられないよな…。言われたことだけやればいいや」と心の中で思っているはずです。

 自分自身を高めていて尊敬できる上司だと、言われたことだけでなく、さらに自分で考えてプラスαの成果を出そうとします。5%、10%の上乗せをしようとする行動が部下を成長させるのです。これはつまり、①のより高い業績・成果を上げること、②の部下を指導育成することに結び付きます。つまり、③「より高い役割をめざし、自分自身を高める」ことが土台となっているのです。

自分自身を高める為には学ぶことです。読書、セミナー、講演、そして、メンターと思えるような人と話しをすることです。(このブログが学びの一つとなっていると嬉しいです)

今回の格言は、「管理職の任務はまず自分自身を高めること!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

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元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1人事コン サルタントと言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メ ンタルヘルスマネジメント2級

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