【日曜】藤崎敏郎「会社をツブす5つの心の病気」

2015.01.26 / 連載

崎敏郎の人材育成セミナー

第29回 「あまえ、うぬぼれ、おごり、マンネリ、やっかみ」

どんな経営者も(管理職、一般社員も同じく)かかる病気があるそうです。①あまえ、②うぬぼれ、③おごり、④マンネリ、⑤やっかみの五つの心の病気です。初心を忘れるからです。

気をつけていないと、土台のしっかりしていない人間になります。小人物ほど尊大に振る舞うようになります。そして、頼まれたこと、やるべき仕事など、これくらいでまあいいかと甘えてしまうのです。また、自分はすごい人間だと、うぬぼれてしまうのです。部下に対しても、いばってふんぞりかえって話している人もいるかもしれません。経営者に対しても、俺の方が仕事がうまくできると批判している管理職もいるかもしれません。どのような人に対しても、ていねいな言葉づかいで話しましょう。偉そうな態度は慎みましょう、威張っても得るものは何もありません。威張って得られるのは、人の反感だけです。真に優秀な人に対しては、他人は自然に頭を下げるものです。そこで肩をそびやかすと、人は本能的に嫌悪感を抱きます。能力は認めても、人間性を軽蔑するのです。 そして、おごりや自惚れを持っていると、それが言葉のはしばしに出てくるようになります。それを他の人は見逃しません。経営者は、そのような社員には、頭を冷やしなさいという降格人事をするケースもあります。場合によっては、その会社では必要がないと宣告される社員もいます。 また、そのような病気を持っている経営者を見ると、優秀な社員は会社を離れていくでしょう。三年ほど前に、ある急成長した会社の社長と話をしましたが、お取引先や年長者、そして部下に対しての言葉づかいのひどさを感じることがありました。「この社長の下では、部下はどんどん辞めるだろう。取引先も応援する気持ちにならないだろう」と、その会社の将来を案じていました。その後の噂では、店舗数が半分以下になったそうです。最近は全く噂も出ません。会社が倒産したのかもしれません。

私自身も社員研修では先生と呼ばれていますので、気を付けるようにしています。教える立場の人間は、普通に話していても聞く方からは偉そうに見えてしまうのです。自分の心や頭を磨くために、複数の師匠の下で月に五日以上をかけて学んでいます。「おれがおれがのが(我)を捨てて、おかげおかげのげ(下)で生きよ」という言葉を胸に刻んでいます。

先週、ある会社で新入社員が五つの病気にならないことをスピーチしました。入社して一年目だから、仕事が他の人よりできなくても、「まぁいいか」と甘えていた反省も話してくれました。とても爽やかな気持ちになりました。そして、聞いている管理職の心に響いていました。

今回の格言は、 「あまえ、うぬぼれ、おごり、マンネリ、やっかみの五つの病気を忘れるな!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとし て独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修 講師と言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタル ヘルスマネジメント2級

http://p-link.co.jp/index.html(ホームページには各誌の書いた原稿を掲載中)

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