【日曜】藤崎敏郎「できない部下には7回言え!」

2014.08.25 / 連載

藤崎敏郎の人材育成セミナー第7回

 何度、同じことを言ってもやってくれない部下っていますよね。今回は、その対応について教えましょう。

例えば、服装や身だしなみのこと、整理整頓のこと、ホウレンソウのことだけれども、こんなことさえできない部下は「どうしたらいいのか」って相談を受けることがあります。しかし、何度言ったのかと聞くと、たいていは、二度か三度だったりします。このような「当たり前」に思えることのほうが、徹底することは難しいのです。だから、同じことを繰り返していうのが役職者の仕事と思って何度でも繰り返していうことが大切なのです。一回言っただけで行動してくれるような優秀な人は、自分より上の役職についていると思うこと。一回言っても行動できない人だから、いつまでも部下として存在しているのです。

そして、普通の人は、役職者の言うことを聞き流しているものだと思うことも重要です。一回言ったくらいではやろうとしないのが当たり前。おそらく、三回くらい言って初めて本気で話していると感じるんではないかと思います。本気で話していると分かったことしか部下は行動しないものなんです。社長の言うことも、一回くらい言われたからって本気で行動する人はほとんどいないでしょう。

そして、同じことを言うにしても朝礼などで全員に言っても効果は薄いです。全員に話すと、自分のことと思って聞いている人はほとんどいないから。大切なこと、やって欲しいことは、個別にしっかりと話すこと。時間は短くてもいいから、目を見てしっかりと伝えよう。

ところで、あるセミナーで教えてもらったことがあります。人間の記憶に残すためには、七回繰り返すことだと教えていました。何度でも言ったという一つの基準になると思います。七回繰り返して言ったかどうかを基準にするといいかもしれません。

自分の部下から同じ相談を受けたら、こう話してみましょう。「何回言ったのかな。二回か三回でないかい。少なくとも七回言ってから、また、相談においで。何度でも言うのが役職者(リーダー)の仕事ですよ」と。

「何度言っても分からない部下はクビにすればいい」という人もいるだろうけれど、そんなことしたら社員は誰もいなくなってしまう。新しく採用をして、今以上の素晴らしい人が来るなんて思ったらだめ。今と同等か、もっとレベルの低い人が来ると思っていた方がいいです。

今回の格言は、

「一回言ってもやってくれない部下には、少なくとも七回繰り返して言うこと!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

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元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとして独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1人事コンサルタントと言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタルヘルスマネジメント2級

パートナーズリンク, 藤崎敏郎