【日曜】藤崎敏郎「あいさつは先手必勝」

2014.09.15 / 連載

藤崎敏郎の人材育成セミナー第10回

部下に挨拶をしているかと聞くと、「私は挨拶をしています」と誰でも言います。確かにしています。問題は、その仕方にあります。周りに聞こえないくらいの小さな声で言う人がいます。だるそうな感じで言う人もいます。こうした挨拶は不合格です。挨拶ひとつ満足にできない社員、すなわち「仕事ができない社員」と思われてしまっているでしょう。

このようなケースでの部下指導のコツは、原因を心構えや性格の問題にしないことです。「やる気がないんじゃないか」、「そもそも性格が暗いんだよ」などなど。このように簡単に思われていることほど、しっかりと行動レベルでポイントを教えてあげなければなりません。

正しい挨拶の仕方には次の7つのポイントがあります。

①    立ち止まってする

歩きながらの挨拶は相手の正面に立てないことが多いのです。顔だけ横に向けての挨拶や、ひどい場合は相手にお尻を向けての挨拶になります。相手の正面に立つために立ち止まりましょう。

②    相手の顔を見てする

下を向いたままや後ろを向いたまま、「おはよう」とだけ言っている人がいます。顔を見合わなければ心は通じません。まっすぐ相手の顔を見ましょう。

③    自分から先にする

挨拶は部下から上司にするという考えはもう古いです。上司のほうから先にしてもいいのです。部下は「しまった」と思い、次は必ず自分のほうから先にします。挨拶は先手必勝です。

④    言葉を省略しない

挨拶は日本語の中でも美しい言葉です。省略しないで語尾まではっきりと言いましょう。

⑤    言った後でお辞儀をする

言いながら頭を下げるのは、地面や床に挨拶をしていることになります。「おはようございます」と言い終わってから頭を下げましょう。「語先後礼」といいます。

⑥    頭を上げて相手の目を見る

お辞儀をしてそのまま座ったり、仕事に取り掛かったりする人がいます。相手の心にすっと冷たい風が流れます。せっかくの挨拶が台無しです。お辞儀をして頭を上げて目を合わせる。これが挨拶の一番大事なところです。締めくくりのアイコンタクトをきちんとしましょう。

⑦    笑顔でする

当然のことですが、明るい笑顔で挨拶をしましょう。

あいさつにはこの7つのチェックポイントがあります。各項目で自分は100点満点で何点かを考えると自分の長所や短所が分かります。そして、部下指導をするときも、項目ごとに点数をつけさせて、長所や短所に気づかせるようにしましょう。気づくと自分から改善行動をしようという意欲が湧いてきます。気づいていなくてできていないことがほとんどなのです。

今回の格言は、

「あいさつは7つのポイントで指導しよう!」

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株式会社パートナーズリンク社長 藤崎敏郎

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元セブン&アイグループの本社スタッフ。その後パチンコチェーン店に入社。機械担当部長、営業部長として勤務する。その後、人事コンサルタントとして独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでに教えた受講者は10万人以上。業界誌にも複数連載し、ナンバー1人事コンサルタントと言われている。取得資格:キャリアコンサルタント、販売士1級、社労士、米国NLPマスタープラクショナルコース終了、トレーナーコーチ、メンタルヘルスマネジメント2級

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