【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第49回

2015.12.27 / 連載

コンサルティングの現場より(37) カネがないならアタマを使え!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。先週、サッカーの国際大会の一つであるクラブワールドカップが日本で開催されました。各大陸の王者によるクラブ単位での世界一決定戦として歴史のある大会です。その大会に開催国代表としてJリーグからサンフレッチェ広島が出場し、堂々の世界3位という素晴らしい結果を手にしました。その3位決定戦の相手はアジアチャンピオンである中国の広州恒大だったのですが、この広州恒大、所属選手には中国代表がずらりと並び外国籍選手には現役ブラジル代表3人を含むブラジル人選手が5名、そして2002年日韓ワールドカップ優勝監督であるスコラーリ氏という世界的名将が指揮する超豪華な陣容のクラブです。世界的に有名な選手はただの一人もいないサンフレッチェ広島にとっては、厳しい戦いになるというのが大方の見方でした。しかし終わってみればサンフレッチェ広島が2-1で勝利しました。サンフレッチェ広島は対戦相手をよく研究し、さらに試合展開(前半4分に失点し0-1で前半を折り返す)から柔軟に戦術を変更したことで逆転に成功したのです。

この結果は非常に興味深いものでした。つまり「武器 (この場合は選手層)の一つひとつは敵より劣っていても、リーダー(この場合は監督)の指揮する戦術によって結果を手にした」といえます。サッカーとパチンコ、戦うフィールドは違えども「すべきこと」は同じなのではないでしょうか。

確かにド底辺レベルでは機種構成や設備、また出玉に関しても競合よりも劣っているかもしれません。もちろん機種構成や設備など、イイものがあるほうが有利です。しかしそういった「武器」が劣っていることをしっかりと理解した上で、それらをうまく組み合わせて使いこなすように「考える」という作業に活路を見出すべきなのです。

店長に求められることは「与えられた条件の中で、結果を出す」ことです。「あれがないから~、これがないから~」という言い訳を言ってみたところで結果は変わりません。結果を変えるのは行動、しかもこれまでとは違う行動によってだけなのです。今、自店の置かれた現在に不満を言うのではなく、サンフレッチェ広島のように「現有戦力で、どうしたら敵に対抗できるのか」を考えていきましょう。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

ド底辺ホール復活プロジェクト, 林秀樹