【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第47回

2015.12.14 / 連載

コンサルティングの現場より(35) 時間に対する意識

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。いよいよ年の瀬、年末年始営業も目前です。例年ならばこの時期は大型版権機種、ビッグタイトル機種の納品がスタートしてそれなりに業界全体が活気づくはずなのですが、今年は総じて小粒な機種ばかりでイマイチ盛り上がりに欠けています。もちろんこのことは強豪であろうとド底辺であろうと同じ条件なのですが、むしろこういった「同じ条件」のときほどその差が明らかになってしまいます。同じ条件だからこそ地力の差が顕著になる、さてこの差は一体どこにあったのか(あるのか)、今回はその一例をお伝えします。

ド底辺の現場ではだいたいにおいて人手が足りません。そうなると店長ほか役職の人たちはそれこそスーパーマンのようにいろいろな仕事を掛け持ちで処理していくことになります。すると当然どこかに無理が生じて注意力や集中力の欠如を起こしてしまいます。そしてそうなるとどうしても時間を無駄に使ってしまうことになります。つまりだらだらとした時間を過ごしてしまうのです。

「時間」という資源は有限かつ万人平等に与えられています。同じ時間を経過するというのは、同じ量の資源を消費していることと同じです。そしてその中身、つまり「質」の違いが人それぞれの違いを生み出します。

「時間という限りある資源を無駄に消費しない」

こう考えるか考えないか。すべては意識の差といえます。今までもし少しでもぼーっとする時間があったなら、これからはその時間を使って前向きな取り組みを始めてください。数字を分析する、お店を巡回する、部下と打ち合わせをする、本を読む、できることはいっぱいありますよ。

さて、これまでの話は当たり前なことと言えば当たり前なことでしょう。

「そんなことはこれまでにも何度も聞いたし、わかっているよ」

という言い訳が聞こえてきそうです。ところが実は、ここが重要なのです。「これまでにも何度も聞いた」ということは、これまでに何度も同じ苦言や指摘を受けて、そのたびに逃げてきたのではありませんか? その結果、今も同じ状況を続けているのではありませんか? 例えば今40歳だとして、「今さら変えられないし、せめて35歳の時に動き出しておけば今は違っていたかもしれない」と考えるかもしれません。しかし、今動き出さないとおそらく45歳になった時にも後悔していることでしょう。「せめて自分が40歳だったら・・・」と。時間は有限です。今動き出せば未来は必ず変わります。逆に動き出さなければいつまで経っても何も変わらず、常に後悔だけが付きまといます。「せめて5歳若かったら・・・」と。

強豪と呼ばれるお店は、とにかく時間管理にシビアです。決して無駄・無為な時間を過ごさない風土が多くあります。集中力を切らさず、時間という資源を有効に使う意識を持ってください。この人、モノ、カネという資源と違い、時間という資源だけはあなた自身の意識でいくらでも使えて、さらにいくらでも質を高めることができるのですよ!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
同社ホームページはこちらをクリック

1972 年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したの ち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に 頼らない論理的なホール経営を提唱する。

アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社, ド底辺ホール復活プロジェクト, 林秀樹