【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第46回

2015.12.05 / 連載

コンサルティングの現場より(34) 「様子を見る」ということ

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。12月、一年の最終月のスタートです。とにかく11月は厳しい売上、稼働でした。少なくとも気持ちの上ではそのいやな流れを引きずらず、気持ちを入れ替えて年末営業に向かっていきたいところです。

さてこの時期(11月~12月中旬くらいまで)はとにかく、何をやってもうまくいかないものです。入替をしようがイベントをしようが、空チラシを出そうがとにかく集客ができません。こういったときにすべきことは大きく2通りあります。

1.落ち込みを最小限にするために、とにかくカネをかける
全ては現状維持のため。動かなければ落ちるのならばとにかく動いて今のレベルの維持を目指す戦術です。

2.費用対効果を考えて、じっと耐えてカネをかけない
今動いても効果が薄いのならば、もっと効果の高いときに動くために今はあえて何もしないという戦術です。

さてこの2通りの考え方はどちらもそれなりに狙った効果が得られます。「1」ならば「上がらなくてもいい」と捉えることでその効果が得られますし、「2」ならば「下がってもいい」と捉えることで現状を受け入れて次の機会に備えることができます。あとは、自分の立ち位置で「より効果が高いのはどちらなのか?」を考えて選択するわけですが、これまでの連載で再三お伝えしているように、ド底辺ホール=弱者は「2」を選ぶべきでしょう。

ただしここで考え違いをしないでいただきたいです。「2」の戦術では「動かない」と言っていますが、決して何もしないというものではありません。ミーティングや会議の席でよく、「とりあえず、様子を見よう」という言葉をよく聞きます。そしてほぼ(絶対?)、その「様子を見た結果」の報告はありません。「様子を見る~」という言葉を「何もしないで時が過ぎるのを待つ~」と解釈している人が非常に多いのです。

 ハッキリ言って、違います!

「様子を見る」というのは、動向を探ることです。顧客の動き、競合の動き、経済状況、営業数値などなど、「変化」を感じ取るという動きをすることなのです。お客様への直接的なアプローチをしないで、今の状況を分析することが「様子を見る」なのです。

強豪店と違ってド底辺の現場ではとにかくカネもヒトも足りません。経営資源に圧倒的な差があるのです。それでも差がない分野もあります。それは「時間」です。与えられた時間は同じであり、この同じだけ与えられた資源の使い方でカネやヒトの差を挽回も可能です。カネを使わず、与えられた「時間という資源」を有効に使い、分析をしてください。それが「様子を見る」ということなのです。

 

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972 年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したの ち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に 頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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