【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第43回

2015.11.14 / 連載

金曜日から日曜日に移動しました。

コンサルティングの現場より(30) 「新台入替」の限界と、その先の方向性

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。もうすぐ12月です。これからの新機種はパチンコ、スロット共に射幸性がダウンした機種ばかりになります。新台入替に頼ることはできない時代になる―。誰しもが思っていることでしょう。でも、新台入替に頼る以外に何をすればいいのかがわからなく悩んでいるのではないでしょうか。

しかしよく考えてみてください。実は「新台入替に頼る」営業はとっくの昔に破たんしているのですよ。新台を導入しても2週間も持てばいい方、ほとんどの新機種は10日も持たずに普通の稼働に落ちてしまいます。また話題機種が登場しても20年前とは違い、今は横並びで一気に市場(商圏)に導入されるので、店舗全体の底上げになど到底ならないことを繰り返しているのです。いいですか?12月以降の新台に期待できないのは事実ですが、「新台に期待できない」状況は今も同じです。

よく考えてみれば、パチンコ業界というものは商品構成(機種構成)での差別化がまずできない業界です。高稼働の店舗もド底辺の店舗も、ほとんど同じ商品構成(機種構成)なのです。それでも、今この厳しい状況でも高稼働を維持している店舗や稼働を上げているホールも存在します。同じ商品構成(機種構成)でいったいどこにこの差が生まれる要因があるのか。それは「面白さを演出するプロデュース力の違い」なのです。

「最近のパチンコは面白くない」、よく聞く言葉です。これは遊技機そのものの面白さを指している場合もありますが、大きくは「パチンコという遊び」自体を指していると捉えられます。だから「パチンコという遊び、遊んでいるそのひとときを面白くさせよう」、そのように考えて改善をしてきたホールが高稼働を維持、または稼働を伸ばしているホール=強豪店なのです。強豪店の会議やミーティングでは遊技機の評価や導入機種に関する議論はほとんどありません。それよりも、

・どんな告知スタイルにするか(デザイン、配置、媒体など)

・どういう遊技環境の整備をするか(付帯設備、調整、機種配置など)

・快適な店内空間はどんなものか(清掃、飲食、接客、人的コミュニケーション、カウンターなど)

などが真剣に話し合われます。「パチンコという遊びを楽しませるにはどうすればいいのか?」、これが第一であり、その目的を達成させるための手段の一つとして「入替」があるのです。これに対してド底辺ではいまだに、「入替」を戦略戦術の軸としている傾向が強くあります。考え方の軸が「遊技機」なのか「パチンコという遊び」なのか―。これが強豪店とド底辺の違いです。

これから先の入替に期待はできません。導入費用との費用対効果・コストパフォーマンスは落ちる一方でしょう。これから目を向けるべきは「パチンコという遊びを楽しんでもらうにはどうすればいいのか?」です。その手段として入替を考えるべきであり、入替を軸にしている考え方ではいつまでたってもド底辺という現状を変えることはできません。今だからこそ!考え方の転換をしてください。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したの ち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に 頼らない論理的なホール経営を提唱する。

 

 

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