【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第39回

2015.10.19 / 連載

【編集部よりお詫びと訂正】先週土曜日に「コンサルティングの現場より(26)」を「コンサルティングの現場より(25)」より先に掲載してしまいました。読者のみなさまにお詫び申し上げます。今後、チェック体制を強化し同様のことが起きないよう対処して参ります。

金曜日から日曜日に移動しました。

コンサルティングの現場より(26) 数字を見てもわからない!視覚で感じろ!

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。下半期がスタートして半月が経過しました。なかなかド底辺の現状を脱することができず、日々悩んでいることだと思います。先週の連載では「実行あるのみ、とにかく動け!」というお話をしました。とはいっても何をどう動けばいいものか、とこれまた悩んでしまいます。そして結局動けない現状が続いて、何も変わらない毎日があっという間に過ぎていく・・・。それではいけませんよね!今週は動くとはどういうことか、をお話しいたします。

「動け!」と言ってもやみくもに動くのでは効率も良くありません。動く前の下準備として情報の収集が必要です。と言っても新たに何かを集めるのではなく、今目の前にある情報を整理すればいいのです。アウト、スタート、玉単価、利益率などの遊技機情報や他店調査表などの外部情報を取り出してください。強豪とド底辺の」“差”はココにあります。つまり強豪と呼ばれる(そして実際に競合である)店舗は、目の前にある様々な情報をしっかりと活用しているのです。一番効果的なのは、目の前の情報を数字としてではなくグラフ化することです。数字の羅列ではなく視覚的に変化をとらえるのです。できれば単純に数字をグラフ化するのではなく、移動平均グラフを作成するとよいです。

※移動平均グラフ・・・ある一定区間(おおむね1週間が良い)の平均値をグラフに落としておく手法。高低差のあるグラフが滑らかな曲線を描くようになり、変化が出だした時期を発見しやすくなる。(写真2枚目参照

この図はアウトを移動平均グラフ化しました(赤線)。そうすると日々の数字(黒線)ではわからなかった変化の兆しが見えます。たとえば黒線だけを見ているとよい稼働のときが印象に残って、逆に後半の伸びがないときは良くないように見えます。しかし赤線を見ると、

・前半は稼働が低下傾向であったこと

・中盤、入替で盛り返したように見えても現状維持しかできていなかったこと

・入替をしていない後半も実はそれほど落ち込んでいなかったこと

などが見えてきます。このグラフに、例えば利益率を加えたり他店人数調査を加えたりすれば視覚的にそれらの影響を把握できます。目の前にある数字は宝の山です。活用するかしないか。これがド底辺とその他の違いです。どの店舗も情報量や内容に違いはありません。ド底辺を脱却したければ、「集める」で終わらずに「活用する」ことを心がけてください!

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹

1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。

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