【日曜】林秀樹「ド底辺ホール復活プロジェクト」第34回
2015.09.12 / 連載金曜日から日曜日に移動しました!
コンサルティングの現場より(22) カネがないときの顧客動向を考えろ!(2)
皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。前回はお店の気持ちではなくお客様の気持ちを考えた施策をすべきだというお話をしました。今回は「どうしたらお客様の求める商品、施策を見つけられるか」についての考え方をお話ししたいと思います。
お客様の考えを推測するには、景気や経済状況から読み取ることも必要です。現在の日本は「失われた20年」と言われるデフレ時代です。
※失われた20年…1989年の消費税導入や日銀の金融引き締め政策により経済活動の収縮が引き起こされ、実質経済成長率の低迷となった時代。
※デフレ…デフレーション。物価が持続的に下落すると人は「もっと安くなるはず」と考えて買い控えが発生し、物が売れない悪循環を引き起こすこと。不景気となる。
デフレ時代は一般的に不景気となり収入が減るので買い控えが起こります。しかし「そういった時代にこそ売れるモノ」もあります。通常の商品は「お金があるから売れて、お金がないときには売れないモノ」ですが、実は「お金がないから売れて、お金があるときには売れないモノ」もあるのです。たとえば今年の夏は暑いことが予想されるとします。そういったとき、
・お金を持っているなら、エアコンを買う
・お金を持っていないなら、扇風機を買う
といえます。上記の例でいうと扇風機は「お金がないときに売れるモノ」となるでしょう。(ちなみに経済学では前者を上級財、後者を下級財といいます)
この考え方をパチンコ業界にあてはめて考えます。そうすると以下のようにいえるはずです。
・4円P、20円S、MAX機…上級財
・1円P、5円S、甘デジ…下級財
前回、「市場=お客様の求めるモノを売るという考え方が必要」とのお話をしました。これを、「今はお金があるのか、ないのか」、「使える時期か、使わない時期か」、「いつごろ使う時期になるか」などを考えることでそろえるべき商品構成(機種構成)やプッシュすべき商品(機種、部門)が見えてきます。
外部環境としてのシルバーウィークは、休日の連続という意味ではSWOT分析でいう機会(チャンス)かもしれません。しかし経済状況の視点で考えると今回のシルバーウィークは決して機会ではないと考えられます。カネのないときもしくは使いたくないとこきこそ売れる商品、反応の良い施策を取り入れることで、ド底辺からの脱却を目指してください。
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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技 機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入 社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。